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デジタル技術を駆使して東京が生まれ変わろうとしている。都民の生活から都職員の働き方まで、最新ITで変革する。オープンデータを活用して構築した新型コロナウイルス対策Webサイトが東京都の目指すデジタル変革を象徴している。世界最先端のデジタル都市を目指す、東京都の挑戦を追う。

ヤフー社長から転じた宮坂副知事(左)の指揮の下、新型コロナウイルス対策サイトを開設した(右)(写真:陶山 勉(宮坂副知事)、Getty Images(背景)、画像提供:東京都)
ヤフー社長から転じた宮坂副知事(左)の指揮の下、新型コロナウイルス対策サイトを開設した(右)(写真:陶山 勉(宮坂副知事)、Getty Images(背景)、画像提供:東京都)
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 新型コロナウイルス感染拡大を防ぐ戦いが続く東京都。その対策情報をまとめたWebサイトが注目を集めた。「行政らしくない」出来栄えのサイト誕生の背景にあるのは、的確なデータ整備やアジャイルな開発体制。同サイトこそ東京都がデジタル技術の活用で進める「東京DX」のシンボルだ。

 検査陽性者の状況や検査実施状況、陽性患者の属性、陽性患者数、都営地下鉄の利用者数の推移…。様々な情報を図や表をふんだんに使って分かりやすく表示する。

 各種のオープンデータをダウンロードすることも可能だ。情報を匿名化したうえで、二次利用しやすく加工して無償公開している。日本語に加えて英語やハングル、中国語の簡体字や繁体字などでも閲覧できる。2020年3月3日深夜に開設してから4月23日までのページビュー数は2200万超、累積ユーザー数は812万人超だ。