2022年5月、「サイバー犯罪に関する白浜シンポジウム」が開催された。今回で26回目、3年ぶりのリアル開催となった。サイバーセキュリティー専門家や企業の実務者など約300人が参加した。国際的なサイバー犯罪からいかに日本を守るか。政府はセキュリティーを守りつつ行政デジタル化をどう進めるべきか。サイバー警察局や関連法などの講演を現地からリポートする。
2022年5月26~28日、26回目の「サイバー犯罪に関する白浜シンポジウム」が和歌山県田辺市で開催された。
「サイバーセキュリティーはステークホルダーの相互信頼に基づく情報交換なしには守り切れない。交流を通じて信頼醸成を図り、次世代の人材を育成していく」(運営委員を務める立命館大学の上原哲太郎教授)との考えの下、同シンポジウムは参加者同士の交流を重視してきた。だが新型コロナウイルス感染拡大の影響で、2020年と2021年はオンライン形式で開催した。
3年ぶりのリアル開催となった今回は、全国からサイバーセキュリティー専門家や企業などの実務者、警察関係者など約300人が現地に集まった。この時期タクシーに乗ると「『サイバー犯罪』で(田辺市に来たので)すか?」と運転手に聞かれるほど、地元に根付いている。企画運営は地元である和歌山県警察、和歌山県、大学などが担う。
講演や情報危機管理コンテストのほか、オフレコで少人数での情報共有会、懇親会などを介して、参加者は情報交換や交流を図る。講演中でも企業ブースや休憩スペースなどでは参加者らが自由に会話したり交流したりしていた。「ここに来ればセキュリティー専門家のあの人に会って話ができる」という場でもある。主な講演をリポートする。