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LINEアプリ利用者の個人情報を中国の委託企業が閲覧できる――。問題の発覚を受け、政府は中国でのデータ保管やオフショア開発に厳しい目を向けるようになった。手つかずだった「経済安全保障」を重視した法を整備し、企業に対応を求める方向にかじを切る。日本国内産業への影響を探る。

(写真:Getty Images)
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 政府が「経済安全保障」の強化にかじを切る。2021年6月28日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」の最新版で初めて「経済安全保障を確保する」と明記。技術流出の防止や重要物資のサプライチェーン強化など多数の政策を打ち出した。想定するのは主に中国関連リスクとみられている。

 情報通信分野におけるその発端と言える事件が、2021年3月に明らかになった「LINE問題」だ。LINEアプリ利用者の個人情報が中国の委託企業から閲覧できる状態になっていた。この問題を受け、海外での個人データの扱いなど企業におけるデータガバナンスの在り方が注目を集めることとなった。