全4389文字
PR

コロナ禍で「電子契約」が注目を集めている。紙の契約書に押印または署名する代わりに、デジタルな契約書に電子サインや電子署名をして取引先とやり取りする方法だ。いち早く取り組んだヤフーとネスレ日本の事例を通じて、電子契約導入の勘所を解き明かす。

(写真:Getty Images、契約書の文面はIPA「情報システム・モデル取引・契約書(受託開発(一部企画を含む)、保守運用)」を基に作成)
(写真:Getty Images、契約書の文面はIPA「情報システム・モデル取引・契約書(受託開発(一部企画を含む)、保守運用)」を基に作成)
[画像のクリックで拡大表示]

ヤフー
事務処理コスト7割減 電子契約100%を目指す

 「2021年3月末までに民間取引先との契約において100%電子化を目指す」。2019年9月から電子契約を推進しているヤフーは2020年5月に社外へ向けてこう宣言し、取引先に電子契約への対応を呼びかけている。

 2020年6月時点で、電子契約の対象になり得る契約は月1000件ほどあるが、実現率は約2割にとどまる。コロナ禍でヤフーは社員にテレワークを強く推奨しているが、電子契約が道半ばであるため「ハンコ出社」を余儀なくされる社員もいるという。

 紙の契約書を取引先に送る際に「電子サイン利用のご案内」というパンフレットを封入するなど、取引先の理解を得る取り組みを進めている。黒岩高光コーポレートグループ経営支援部部長は「コロナ禍によって取引先でも電子契約導入の機運が高まりつつある。電子契約の実現率を高めて、時間と場所にとらわれず手続きをできるようにしたい」と意気込む。

図 ヤフーが紙の契約書に同封して取引先に送る電子契約のパンフレット
図 ヤフーが紙の契約書に同封して取引先に送る電子契約のパンフレット
取引先の理解を得る(資料提供:ヤフー)
[画像のクリックで拡大表示]