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政府がデータセンター(DC)の立地を分散する取り組みを始めた。「デジタル田園都市国家構想基本方針」にもDC整備を盛り込んだ。地方でのDC建設や海底ケーブル敷設へ1000億円の補助金を支出する。背景にあるのが東京圏にDCが集中することへの懸念だ。DC立地分散は過去にも議論されたが、逆に東京圏への集中が進んだ。今度こそDC分散時代がやってくるのだろうか。

IDCフロンティアの「福島白河データセンター」(写真提供:IDCフロンティア)
IDCフロンティアの「福島白河データセンター」(写真提供:IDCフロンティア)
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 クラウドサービスの利用増加にともない、関東や関西では2019年ごろからDCの建設ラッシュが続いている。「DCを設計できる人が全然足りない状況になっているようだ。おそらく今後は(DCを)運用する人も足りなくなるだろう」(IDC JapanでDC市場を担当するITサービスリサーチマネージャーの伊藤未明氏)。

 DCは日本の各地にあるが、特に多く立地しているのが東京圏だ。2018年度の時点で棟数ベースでは約35%、サーバールームの面積ベースでは約60%が関東に集中している。都心にインターネットエクスチェンジ(IX)があり、ユーザー企業の拠点に近いからだ。今後さらに加速しそうな東京圏へのDC立地の一極集中だが、それを懸念する声も上がっている。

 経済産業省と総務省は2021年10月から「デジタルインフラ(DC等)整備に関する有識者会合」を開催し、有識者や業界関係者を集めてDCに関する政策を検討した。

 2022年1月に公表した同会合の中間取りまとめでは、DCが東京圏に一極集中している問題点を挙げた。1つは、東京圏で大規模な災害が発生した場合のリスクだ。データを処理するDCが東京圏に集中しているので、被災した東京圏だけでなく、地方でもデータ処理が滞る可能性が高い。つまり日本全体で通信が困難になったり、金融、医療、交通、政府・行政サービスといった重要インフラが正常に機能しなくなったりするリスクがある。

 通信ネットワークの非効率についても指摘した。地方にDCが少ないため、地方で生み出されたデータは地方内で処理が完結しないことが多い。全国のデータが東京圏のDCに送信され、そこで処理された結果が地方に戻ってくるという流れだ。

 中間取りまとめではこうした問題を踏まえて「DCの分散が必要」と説明。「広域災害時において『共倒れ』とならないだけの距離を設けることが望ましい」とした。

 再生可能エネルギーを活用する観点からも、日本中の様々な場所へのDCの設置が求められるという見方も示した。日本データセンター協会の副理事長を務める東京大学大学院情報理工学系研究科の江崎浩教授は「DCのさらなる増加が見込まれる中、再エネを生産する地域への分散が必要になってくる」と指摘する。再エネが大量に生産できる地域にDCを設ければ、国全体でエネルギー利用を効率化できる。