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優れたIT活用事例を毎年表彰し、今回で16回目となる日経コンピュータ主催の「IT Japan Award 2022」。今回はグループを挙げてDXを推進するSOMPOホールディングスがグランプリを獲得。準グランプリにはアシックスが選ばれた。特別賞はQunaSys、シャープ、農林水産省、星野リゾートとなった。受賞した6社・団体の先進的なIT活用事例を紹介する。

(写真:村田 和聡(上))
(写真:村田 和聡(上))
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 「DXを担う役員と基幹系システムの担当役員が同じビジョンを共有できていることで、スムーズに進めることができた」。SOMPOホールディングス(SOMPOHD)でデジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みを統括する楢崎浩一デジタル事業オーナー兼執行役専務は、2022年7月に実施した「IT Japan Award 2022」グランプリ授賞式で、自社グループのDX推進体制についてそう手応えを語った。

 今年で16回目となるIT Japan Awardでグランプリを受賞したSOMPOHDは外部環境の変化に備えグループ全体でDXに取り組み、「脱保険」を目指している。スタートアップとの連携・協業、100億円出資のデジタル事業子会社の新設、中核事業会社の損害保険ジャパンによる34年ぶりの基幹システムの全面再構築などを矢継ぎ早に展開した。生損保や介護の現場で生まれるデータを集約・分析するIT基盤の整備も進める。

 準グランプリはアシックスが選ばれた。グローバルでERP(統合基幹業務システム)やマスターデータを統合。マスターデータ基盤を活用し、2021年12月期に棚卸資産(在庫)回転日数を前年同期比2割以上短縮した。

 特別賞はQunaSys、シャープ、農林水産省、星野リゾートの3社1団体が受賞した。QunaSysは量子計算機のソフトウエア開発や量子コンピューターを活用できる人材育成に向けたコミュニティーの主催、シャープは鴻海精密工業の傘下に入ってからの5年間でシステムの内製化を徹底して既存ITコストを半減したこと、農林水産省は職員自らがプロジェクトマネジメントを担い全行政手続きのオンライン化を推進していること、星野リゾートは大浴場の混雑状況を「見える化」するIoT(インターネット・オブ・シングズ)システムや予約サイトのGoToトラベル対応などを、内製によるアジャイル開発で実現したことなどが評価を得た。

 IT Japan Awardは日経コンピュータが2007年に創設。優れたIT活用事例に光を当てノウハウを共有する狙いだ。今回の審査対象は2021年5月~2022年4月に日経コンピュータと日経クロステックに掲載した事例だ。8月24~26日に開催した「IT Japan 2022」では、損害保険ジャパンと星野リゾートが講演を行った。