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犬や猫を飼っている人にとってペットは立派な家族の一員だ。当然、長く健康に生活してもらいたい。最近、IoT機器やAIを使ってペットの健康を管理する取り組み「ペットテック」が注目されている。大切な家族の健康を守るペットテックの最新動向を追った。

ペットの感情を把握する「INUPATHY」の装着例(写真提供:ラングレス)
ペットの感情を把握する「INUPATHY」の装着例(写真提供:ラングレス)
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 ペットフード協会の「全国犬猫飼育実態調査」によれば、現在日本には890万3000頭の犬と964万9000頭の猫が飼育されているという。飼育頭数は犬が減少、猫は横ばいの傾向にある一方で、ペット市場は拡大傾向が続いている。矢野経済研究所の調査では、2019年度のペット関連の総市場規模は1兆5629億円になるという。

 ペット市場の拡大要因の1つが、犬や猫の体調をIoT(インターネット・オブ・シングズ)やAI(人工知能)を駆使して把握する取り組みの広がりだ。ペットの体調不良の把握に最新テクノロジーを活用する「ペットテック」が急速に進歩している。

 ペットの病気に早期に気づくことは難しい。日本大学の枝村一弥生物資源科学部獣医学科獣医外科学研究室准教授は「犬や猫は人の言葉で体調不良を伝えられない。痛みの兆候を把握するのが特に難しい」と説明する。

「早く気づいてあげれば」に応える

 犬や猫を飼っている人にとってペットは立派な家族の一員。当然、健康な生活を長く送ってもらいたい。そんな思いから生まれたIoT機器が、日本動物高度医療センターが開発した動物用の活動量計「Plus Cycle(プラスサイクル)」だ。2019年2月に発売され、同8月時点で1万弱のユーザーがいる。

図 動物用活動量計「Plus Cycle」
図 動物用活動量計「Plus Cycle」
センサーで活動量の異変をキャッチ。Plus Cycle本体
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Plus Cycle用スマホアプリの画面(画像提供:日本動物高度医療センター)
Plus Cycle用スマホアプリの画面(画像提供:日本動物高度医療センター)
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日本動物高度医療センターの山本誠事業開発部課長
日本動物高度医療センターの山本誠事業開発部課長
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