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端末やネットワークを整備

 三井不動産は社員約1600人を対象に、新型コロナ対策としての在宅勤務を始めた。緊急事態宣言の発令中、社員9割以上が在宅勤務を実施した。7月下旬からは在宅勤務率70%以上をめどに継続している。

図 アフラック生命保険と三井不動産のテレワーク支援の例
ツール導入・環境整備へいち早く対応
図 アフラック生命保険と三井不動産のテレワーク支援の例
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アフラック生命保険はWebexやTeams に関する特設ページを社内ポータル上で公開し利用支援した。視覚的に使い方を把握できるようにした(画像提供:アフラック生命保険)
アフラック生命保険はWebexやTeams に関する特設ページを社内ポータル上で公開し利用支援した。視覚的に使い方を把握できるようにした(画像提供:アフラック生命保険)
三井不動産が執務エリアに設置した1人用ブース(上)。社員に配布したWi-Fiルーター(下)は700台ほど用意した(写真提供:三井不動産)
三井不動産が執務エリアに設置した1人用ブース(上)。社員に配布したWi-Fiルーター(下)は700台ほど用意した(写真提供:三井不動産)

 同社は2016年ごろから場所にとらわれず働けるICT(情報通信技術)環境の整備を進めてきた。主なものに端末やネットワーク、電話がある。

 2年前に全社員にカメラ搭載のノートパソコンを配布。外出が多い社員にはノートパソコンで通信できるようにSIMカードを配布した。VPN(仮想私設網)装置を導入するなど、社外から社内ネットワークへのアクセス環境を整えた。

 電話システムも、社員のスマートフォンに固定電話を経由せずにつながるようにした。これは、自席を設けず働く場所と時間を選べるABW(アクティビティー・ベースド・ワーキング)制オフィスを採用したことが大きい。

 2019年8月から移転を始めたオフィスではディスプレー、専用カメラとマイクなどWeb会議に適した設備を充実させた。1人用のブースもある。松井健DX本部DX一部部長は「Web会議をする社員もみんながいるところでは話しづらいこともあり、1人用ブースを設置した。社員からは好評で頻繁に活用してもらえている」と話す。

 現場の実務に加え、コミュニケーションツールのチャット機能を経営判断にも生かしているのがリクルートだ。

 経営層もコミュニケーションツールを積極的に活用している。

 同社は2020年2月から社員約2万人を対象にテレワークを実施してきた。現在は出社率を50%以下に抑え、これを同年12月まで継続させる予定だ。

 人事・総務を担当する野口孝広執行役員は2020年2月以降、チャットを活用して災害対策関連の計画原案を策定した。これにより「素早い意思決定ができた。従来に比べて3分の1程度の時間短縮になったのではないか」(野口執行役員)。

Web会議で他部門の動き把握

 テレワークに必要なツールや環境の整備、社員の習熟度アップに道筋がつけば、次にテレワーク下での社員の生産性を高める段階に移る。いわば「在宅の働き方改革」だ。各社はデジタルを活用し、「仕事の進め方」「人事労務制度」を見直して改革を進めている。

 三井不動産はコロナ禍以前からデジタル活用に力を入れてきた。会計系と決裁系からなる基幹システムをフルクラウド化し、2019年4月から運用を始めた。決裁処理をペーパーレス化したほか、押印が必要な発注書などは取引先の了解を得たうえで、文書ファイルに電子印影を付与して送信する。

図 三井不動産の電子印影機能の画面例
図 三井不動産の電子印影機能の画面例
新基幹システムでペーパーレスと印鑑レスを実現(画像提供:三井不動産)
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 谷本文音DX本部DX一部DXグループ技術副主事は、在宅勤務を始めるに当たって「こうした取り組みがコロナ禍でも威力を発揮した」と説明する。新システムを使うことで、出社せずに決裁や発注ができている。

 ランクアップは在宅勤務に伴い2020年2月に導入したWeb会議サービスを、部門間の垣根を壊して生産性を高めるツールとしても活用している。

 全部門の責任者が参加していた全体会議を、オンラインへの移行を機に一般社員も参加自由とした。その結果、社員が他部門の状況を把握するメリットが出てきた。全社で行う販促策の検討も、社員が会議で製品開発部門の動きを捉えて準備できるようになった。

 朝礼もオンラインに切り替えた。在宅の視聴が増え参加者は従来の2倍になり、議事録作成の手間も省けた。