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仕事の進め方をアジャイル型へ

 短期間で仕事の成果を繰り返し出す「アジャイル型」とテレワークを融合させた働き方の導入も進みつつある。

 アフラック生命保険は2019年から業務改革や保険商品の開発などテーマごとにチームを立ち上げて運営している。こうしたプロジェクトチームは社内に50以上あり、数百人の社員が参加する。2020年春以降、進捗管理などのデジタル化を進めている。

 一般にテレワークでは「誰がどのタスクをどの程度進めているのか分からない」という課題に陥りがちだ。対策として同社は、タスクの進捗状況を可視化するアジャイル活動支援ツールを開発した。管理画面には「準備完了」「作業中」「完了」の列があり、メンバーは進捗状況に合わせてタスクを示す「カード」を該当する列に配置する。

図 アフラック生命保険が独自開発したアジャイル活動支援ツール「AgileNow」
タスクの進み具合を可視化 実現すべき要件ごとに関連するタスクを配置できるよう画面レイアウトを工夫した(上)。自動生成されるバーンダウンチャート(下)。完了したタスクがどの程度あるのかを示す(画像提供:アフラック生命保険)
図 アフラック生命保険が独自開発したアジャイル活動支援ツール「AgileNow」
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 コミュニケーション不足で生産性が下がらないよう、TeamsのWeb会議機能を活用しタスクを洗い出したり、過去の取り組みを振り返ったりするなど多岐にわたる策を講じている。

 「在宅でもプロジェクトを進められるようにしたことで、アジャイル型の働き方はコロナ禍でも威力を発揮すると分かった」とアジャイル推進室の伊藤道博室長(現・人事部部長)は話す。

 MSDも本格的にアジャイル型の働き方を推進している。在宅勤務の課題解決を目指すアジャイル型プロジェクトチームにはITの担当者に加えて、人事、財務、営業、工場、研究開発といった部門の担当者も参加した。通常は2週間ごとに見通しを立てることが多いが、在宅勤務の課題解決に臨み2日に1回の間隔でタスクの優先順位を決めるなどして進めた。

 情報システム部門テクノロジーサービス アソシエイトディレクターのセドリック・ティリオン氏は「アジャイルの中でも特にアジャイルな進め方を採用した」と話す。課題が次々に生まれ、状況が日々変わることを見越して、より柔軟に課題解決などのタスクを進めていけるからだ。

「スーパーフレックス制度」導入

 働き方改革を支えるには、人事労務制度を見直すことも重要になる。

 ランクアップは、全社員100人のうち80人が女性。その半数が仕事と育児を両立している。子供の世話などの急用に直面する社員のため「スーパーフレックス制度」を導入した。午前5時から午後10時までの間であれば、契約した時間分、時間帯を選べる制度だ。出社勤務とテレワークを1日の間の時間帯で組み合わせる働き方も認めた。

 岩崎裕美子社長は「どこで働いてもよいという新しい働き方ができるようになればよいと考えている」と語る。

 在宅の働き方改革を進めるには、社員の不便や不満を解消する工夫も要る。各社は情報の共有や社員の交流を促す取り組みに着手している。

 MSDは、在宅勤務の効率を高める小技を社内SNS(交流サイト)などを通して紹介。Web会議が連続して疲れるといった課題に対し「スケジュール管理ソフトの機能で60分の会議予定を入れると自動的に会議時間を50分に短縮、10分の休憩が取れる」といった設定を披露した。ランクアップはオンライン部活動を展開する。オンラインでランチ会も開き、会議や打ち合わせとは違う会話を楽しんでいる。

 5社の取り組みには、テレワーク最適解のヒントがあふれている。

図 ランクアップが実施しているオンライン部活の様子
図 ランクアップが実施しているオンライン部活の様子
社員の「部活動」で交流 「手芸部」部員が作品を見せ合う。部活動は社員同士の交流に一役買っている(画像提供:ランクアップ)
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