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米アマゾン・ウェブ・サービスが年次イベント「AWS re:Invent」を2021年11月29日(米国時間)から5日間にわたり開催した。新CEO(最高経営責任者)が基調講演に登壇し、メインフレームのクラウド移行を支援する新サービスを発表。オンプレミス(自社所有)環境の「聖域」の攻略に乗り出した。

表 AWS re:Invent 2021で発表された主な新サービス・新機能(機械学習サービスを除く)
メインフレームの移行支援サービスが登場
表 AWS re:Invent 2021で発表された主な新サービス・新機能(機械学習サービスを除く)
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 「多くの企業がミッションクリティカルなアプリケーションをAWS上で動かしている」。年次イベント「AWS re:Invent 2021」の基調講演に登壇した、米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)の新CEOであるアダム・セリプスキー氏はこう強調した。さらに米ネットフリックスやNASA(米航空宇宙局)、NTTドコモといったユーザーの名前を挙げながら、企業や官公庁などでのAWS利用の広まりを訴えた。

米AWSのアダム・セリプスキーCEO(最高経営責任者)(写真提供:米アマゾン・ウェブ・サービス)
米AWSのアダム・セリプスキーCEO(最高経営責任者)(写真提供:米アマゾン・ウェブ・サービス)
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 こうした動きを加速させそうなのが、今回発表した新サービスの1つ「AWS Mainframe Modernization」だ。メインフレームはクラウド移行が難しく、オンプレミス(自社所有)環境の「聖域」となっている。Mainframe Modernizationはメインフレームで稼働するアプリケーションをターゲットに、AWS上の仮想マシン「Amazon EC2」やコンテナ、イベント駆動型コード実行サービス「AWS Lambda」などへの移行を支援する。

 具体的にはメインフレーム上のアプリケーションを分析したうえで、例えばCOBOLアプリケーションをJavaでつくり直してAWS上にデプロイ。その後の運用を含む一連の作業の流れは、AWSのCI(継続的インテグレーション)/CD(継続的デリバリー)パイプラインサービスで制御する。AWSによれば、Mainframe Modernizationの利用によって、移行にかかる時間を従来の3分の2に短縮できるという。

 移行対象となる開発言語として、COBOLに加えPL/1(Programming Language One)に対応。バッチ処理の制御に用いる「JCL(Job Control Language)」や米IBMのミドルウエアである「CICS(Customer Information Control System)」など、メインフレーム上の定番アイテムも対象に並ぶ。「メインフレームは高価で複雑」と見るセリプスキーCEO。AWSがメインフレームからの移行促進にも本腰を入れ、エンタープライズ領域の深耕を強めてきた。