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プロジェクトマネジャー必読のガイド「PMBOK」が大幅改定された。デジタル化プロジェクトに必須のアジャイル型開発に関する内容を追加。失敗を避けるリスク対策についても充実させ、お役立ち度を高めた。

図『 プロジェクトマネジメント知識体系ガイド(PMBOKガイド)第6版』と改定ポイント
図『 プロジェクトマネジメント知識体系ガイド(PMBOKガイド)第6版』と改定ポイント
アジャイル開発と失敗回避の知識を拡充(画像提供:PMI日本支部)
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 プロジェクトマネジメントの普及団体、米プロジェクトマネジメント協会(PMI)は2018年3月26日から、プロジェクトマネジメントの知識体系をまとめた「PMBOKガイド」の最新版「第6版」に対応した資格試験「PMP(Project Management Professional)試験」を実施する。日本で3万5000人が取得するPMPはプロジェクトマネジャーの力量を測るうえで重要な試験である。

 試験に先立ってPMI日本支部は2018年1月にPMBOKガイド第6版の日本語版の書籍を発売。第5版から実に5年ぶりとなる大幅改定だ。

 第6版の目玉は2つ。ビジネスのデジタル化に対応するために試行錯誤を繰り返して、迅速かつ短期間にシステムやITサービスを開発するアジャイル型プロジェクトの知識を加えたこと。成功確率を高めるためにプロジェクトの失敗回避につながる知識を充実させた点も特徴だ。

 アジャイル型については、ガイド内で取り上げる10種類の「知識エリア」と呼ぶマネジメントの対象領域それぞれで「要求事項を洗練するためにあえてプロトタイプを作る」といったアジャイルに特化した知識を加えた。さらに実務の詳細は、無料(PMBOKガイド第6版の購入者のみ)の別冊「アジャイル実務ガイド」にまとめた。

 この背景には、最終成果物のイメージが見えない状況から着手して、走りながら成果を出すプロジェクトが、企業の現場で増えてきていることがある。「工場の現場にIoT(インターネット・オブ・シングズ)の仕組みを、適用形態を探りながら導入していく」といった手法だ。「試行錯誤のプロジェクトにアジャイルは適する。ニーズの高まりを受けて最新版に加えた」とPMI日本支部の片江有利副会長は話す。PMBOKの後押しでいよいよアジャイルが主流となる可能性が出てきた。

リスクに備え教訓を生かす

 もう1つの特徴である失敗の未然回避については、知識エリアを細分化した「サブプロセス」と呼ぶ項目を2つ加えた。「リスク」の知識エリアに「リスク対応策の実行」を追加し、プロジェクト全体の計画や指揮系統に関する「統合」の知識エリアには「プロジェクト知識のマネジメント」を加えた。

 従来版でもリスクの洗い出しや対応策の検討といったサブプロセスを示していた。しかし、対応策を検討しても実施しないケースが多かったため、対応策を確実に実行するよう「リスク対策の実行」を最新版に明記した。

 一方の「プロジェクト知識のマネジメント」は、プロジェクトで得た教訓を次のプロジェクトに生かすためのサブプロセスだ。従来版でも「プロジェクトの教訓は文書で残す」という内容はあったが、残した教訓をどう次に生かすかが明確ではなかった。最新版を使えば同じ原因による失敗を防ぎやすくなる。