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スマホユーザーを奪い合う携帯大手3社が「打倒LINE」へ手を組んだ。標準機能のSMSを一斉に刷新し、新たなメッセージングサービスを始める。新たな収入源の確保を狙うが、利用者に受け入れられるかは未知数だ。

写真 メッセージングサービスの世界規格を採用する携帯大手3社
写真 メッセージングサービスの世界規格を採用する携帯大手3社
共通の敵を前に手を組んだ

 NTTドコモとKDDI(au)、ソフトバンクの携帯大手3社はスマートフォン(スマホ)のショートメッセージサービス(SMS)の機能を年内にも刷新し、新たに動画や長文などを送れるようにする。日経コンピュータの取材で分かった。「LINE」など先行するメッセージングアプリに対抗し、音楽配信や雑誌の読み放題といった自社の有料サービスの利用増につなげる。

 SMSは電話番号を使って文字などをやり取りする仕組みだ。スマホや携帯電話を持っていればアプリをダウンロードしなくても使える。ドコモなど3社はそれぞれ自社の契約者向けにSMSのサービスを提供しているほか、互いのサービス網を相互接続している。このため例えばドコモの利用者がauユーザーにメッセージを送れる。

 ただし一度に送信できる文字数に制限があり、一部の機種を除いて動画も送れない。絵文字は通信会社が異なると文字化けすることがある。コミュニケーションの手段としてはLINEなどに比べて使い勝手が悪かった。

 そこで3社は世界で利用されている携帯電話用のメッセージングサービスの規格「RCS(リッチ・コミュニケーション・サービス)」に一斉対応させる。利用者は特定のアプリを導入したりアカウントを得たりする必要がなく、スマートフォンで動画や長文などを手軽に送受信できる。

 スマホのメッセージングアプリとしてはLINEが圧倒的な存在感を示している。人口減により通信料収入が伸び悩むなか、大手3社は新サービスを投入して顧客との接点を増やし、自社の有料サービスの利用増を狙う。

 海外でも通信会社の置かれた状況は共通する。英ボーダフォン・グループはスペインのバルセロナで2018年2月26日から3月1日まで開かれた世界最大のモバイル関連イベント「MWC2018」で、RCSを使った対話やアンケートなどのデモを披露した。

消費者は「既読スルー」?

 国内の大手3社が新規格に一斉対応するのは、1社でも対応しないと「あの友だちには動画を送れない」といった不都合が生じて普及の妨げになるからだ。競合する3社が「打倒LINE」(関係者)という共通の目的に向けて結託した格好だ。3社は4月の共同発表を目指す。新規格の導入では足並みをそろえる一方、新サービス自体は従来のSMSと同様に3社が別々に提供する。

 鼻息が荒い携帯大手3社とは対照的なのが消費者の反応だ。3月の週末に街中で聞くと、ある女子高生は「スタンプを使っていてLINEに愛着がある」とつれなかった。ネット上でも「LINEを使い慣れているのにいまさら」など「既読スルー」のような反応が目立った。