日本IBMは理系女子学生の採用を強化する。「ダイバーシティを重視した採用方針の一環だ」(同社広報)と説明する。富士通も「多様なバックグラウンドを持った人材の確保」(同社広報)を重視するという。
携帯大手3社ではNTTドコモの採用増が目立つ。2019年度は400人と前年度より64人増やす計画だ。「FinTechや定額制の雑誌読み放題、動画配信といった新事業を拡大しており、これらを担う人材を獲得する」(NTTドコモ広報)。前年より13人多い300人を採用予定のKDDIも「金融や電力関連といった新サービスの拡大に必要な人材を確保する」(同社広報)とする。
いきなり年収1000万円も
IT人材の争奪戦にはユーザー企業も加わり、特にAIやIoTを担うIT人材は引く手あまた。ITと通信の大手が大量採用を続けるなか、DeNAやヤフーといったネット企業は「採用環境はより激しくなる」と危機感を隠さない。両社は優秀な技術系人材を獲得するため、初年度の年収を600万円以上に引き上げた特別枠を設けている。
DeNAは「AI関連の人材採用に力を入れている」(同社広報)。深層学習(ディープラーニング)を活用した事業での研究開発を担う「AIスペシャリストコース」では年収最大1000万円を提示している。同社は通年採用のため、新卒採用計画は公表していない。
ヤフーの「エンジニアスペシャリストコース」は年収650万円以上を想定している。必要な経験スキルとして技術書の執筆経験や開発したアプリのダウンロード数100万以上などを挙げる。入社1年目からやる気と能力を引き出し、自社の事業やサービスの強化を狙う。