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パスワードを使わず、端末の生体認証機能などでログインする「FIDO認証」。富士通は、対応端末をスマートフォンからWindows PCに拡大させた。煩雑なID/パスワード管理の問題を解決できる可能性を秘める。

図 富士通のFIDO準拠生体認証サービスの概要
図 富士通のFIDO準拠生体認証サービスの概要
社内の業務システムに生体認証でログインできる
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 富士通はパスワードに代わるオンライン認証の標準規格「FIDO」(Fast IDentity Online)に準拠した生体認証サービスについて、2018年4月11日からWindows PC単体で使えるよう機能を拡充する。日経コンピュータの取材で分かった。FIDOに準拠した指紋認証などの生体認証を使い、PCを通じて業務システムにログインできるようになる。企業のオフィスで広く使われるWindows PCがFIDO認証に対応することで、生体認証によるログインが一気に普及する可能性が出てきた。

 「これまでAndroid端末やiOS端末はFIDO認証に対応していた一方、PC単体ではFIDO認証によるログインができなかった」と富士通 イノベーティブIoT事業本部の吉田廣志氏は話す。FIDO認証に対応したシステムにPCからログインするには、FIDO認証対応のスマートフォンをPCと連携させる必要があった。今回の機能拡充により、スマホ連携を使わずPC単体でログインできるようになる。「業務システムの認証方式をID/パスワードからFIDOへ置き換えたいと考える企業が増えるだろう」(吉田氏)と富士通は期待する。

Windowsアプリを攻撃から保護

 新機能は富士通研究所が開発したWindowsの検証技術を使って実現したという。AndroidやiOSの実行環境は、サイバー攻撃によるデータ窃取からアプリを保護する機能を備えるが、Windowsは厳格な保護機能を持たない。このため、FIDO機能を持つWindows上のアプリがサイバー攻撃にさらされ、認証関連情報を盗まれる危険性があった。富士通は独自開発した技術を使い、アプリを保護する仕組みを実装したという。

 富士通は機能拡充と合わせ、FIDO認証に対応したPCを4月11日から提供する。ノート型やタブレット型は内蔵指紋センサー、デスクトップ型は外付け指紋認識装置を用意する。

 パスワードは使い回すな、忘れるな、定期的に変更せよ――。IDとパスワードの管理は多くのビジネスパーソンにとって悩みの種だった。FIDO認証ができるPCが広がれば、企業からIDとパスワードを無くせるかもしれない。FIDO認証に対応したPCの価格は「商談ごとに個別対応」(富士通)とするが、サービスを含めて富士通がどれだけ魅力的な価格を提示できるかが普及のカギとなりそうだ。