ライドシェア大手の米ウーバーが4月に上場を申請した。ライバルの米リフトは3月末に上場を果たしている。両社の上場目論見書を読み解くと、ライドシェアの厳しい実情が判明した。
米ライドシェア最大手のウーバーテクノロジーズは4月11日、米証券取引委員会(SEC)に新規株式公開(IPO)を正式に申請した。
5月にも上場する見込みで、上場すれば時価総額は最大1000億ドル(約11兆円)になるもよう。同社に16.3%を出資するソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)には1兆円近い含み益が生じる見込みだ。
ライバルの米リフトはウーバーに先駆けて3月27日にIPOし、4月17日(米国時間)の終値ベースで時価総額は170億ドル(約1兆9000億円)に達する。同社に13%を出資する楽天は19年1~3月期に約1100億円の有価証券評価益を計上する計画だ。
一見華やかだが、ウーバーとリフトが公表した上場目論見書をよく読むと、ライドシェア事業の難しさが浮かび上がる。ようやくIPOにたどり着いた両社の前途は、洋々とは言い難い。
両社の事業を理解する上で最も重要な数値は「プラットフォーム総収入」だ。両社は雇用契約を結ばない一般人のドライバーと消費者とをマッチングする「プラットフォーム」を提供する事業者であると自社を位置付けている。消費者が支払った総額がプラットフォーム総収入であり、流通業における「流通総額」に相当する。