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 日経コンピュータの特報通り、NTTデータの本間洋副社長が社長に就く。評価したのはセブン&アイやファーストリテイリングの案件を獲った「実行力」。本間氏はNTT持ち株会社と軌を一にし、海外事業を拡大させる重責を担う。

 NTTデータは2018年5月11日、本間洋副社長が社長に就くと正式に発表した。6月19日の株主総会と取締役会を経て就任する。国内需要の減速を海外でのM&A(合併・買収)で補い、2018年3月期まで会社設立から29期連続で増収を達成してきた同社。30周年の節目に社長に就く本間氏は2025年ごろの達成を目指す「グローバルトップ5」に向けた道筋づくりに挑む。

 本間氏は1980年に日本電信電話(現NTT)に入社。1988年のNTTデータ通信(現NTTデータ)分社時に同社に転じ、金融機関向け事業で経験を積んだ。早くから幹部候補と目され、広報部長や秘書室長も歴任した。

 社長就任につながる実績を残したのは流通やサービス業向けの事業本部長時代だ。セブン&アイ・ホールディングスのオムニチャネル戦略の中核となるシステムを受注し、ファーストリテイリングのEC(電子商取引)サイト構築も獲得。NTTデータが注力するデジタル分野での実績を残した。座右の銘である「凡事徹底」の通り、目前の案件に地道に取り組んで顧客の信頼を得る本間氏を、岩本敏男社長は「実行力の人」と称する。

問われる「本流」の自覚

 新社長としての最大の課題は海外事業の「質を伴う成長」(本間氏)だ。スペインのエヴェリスや米デルのサービス部門の買収で海外事業は拡大したものの利益面では貢献していない。本間氏はアジア地域の担当経験はあるが、同地域が海外売上高に占める割合はわずか5%程度。北米と欧州・中南米が全社売上高の6割を占める長期ビジョンの下、目標に掲げたグローバルでの連携強化を果たせるかは未知数だ。

 NTTデータの社長人事発表の同日、NTTは澤田純副社長が社長に昇格すると発表した。澤田新体制の下、NTTグループは海外市場とITサービス事業に一段と力を入れる。

図 NTTデータの売上高と海外比率
2025年のビジョンに向けた道筋づくりに挑む
図 NTTデータの売上高と海外比率
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 NTTグループの「傍流」だったITサービス事業が本流へと変わるにつれ、同じく傍流だったNTTデータの役割もさらに増す。本間氏には日本を代表するITサービス会社のトップとして、NTTグループ全体の海外事業を主導するぐらいの闘志と情熱が求められる。そうすればITサービス市場での世界5強入りも見えてくるだろう。