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優れたIT活用事例を表彰する本誌主催の「IT Japan Award 2019」。航行中のトラブルを未然に防ぐ日本郵船の船舶IoTがグランプリに選ばれた。準グランプリと特別賞はAI活用やアジャイル開発などの4事例が受賞した。

 グランプリを受賞した日本郵船は船舶IoT(インターネット・オブ・シングズ)の取り組みを10年越しで進めてきた。保有する約200隻の船舶のエンジンなどにIoT機器を設置し、航海中の船舶のトラブル防止に努めている。船舶内のデータを衛星経由で収集し、陸上の担当者が確認する仕組みだ。大型タンカーのエンジン故障を事前に察知して対処するなど成果を挙げた。

 長年の取り組みや実績に加え、船舶ごとに名称や単位がバラバラだった800項目ものデータを標準化するなど、手間のかかる膨大な作業を経て実現した点が評価された。PoC(概念実証)ではない、実用化したIoTの先進事例としてグランプリに選ばれた。

 IT Japan Awardは日経コンピュータが主催し、今回で13回目である。日経コンピュータ2018年5月10日号から2019年4月18日号および日経 xTECHに掲載した事例から選んだ。

表 IT Japan Award 2019の受賞企業と受賞内容
AI、IoT、アジャイル開発の先進事例を選出
表 IT Japan Award 2019の受賞企業と受賞内容
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 準グランプリはキユーピーと積水ハウスが受賞した。キユーピーは工場での不良品選別にAI(人工知能)を活用。不良品ではなく良品をAIに識別させる逆転の発想でAIの精度を高め実用化した点が評価された。積水ハウスは1万7000台のiPadを全社員が活用し働き方改革を進めている。IT部門がアジャイル開発によって200本以上のアプリを内製した点が評価を得た。

 特別賞は近畿大学とコカ・コーラ ボトラーズジャパン。近畿大学は研究の一環としてマダイの稚魚を育てており、稚魚選別をAIで効率化した。選別の際に必要な水量調整にAIを適応した着眼点などが評価された。コカ・コーラはオフィス向け飲料販売で疑似的なIoTを考案し実装。QRコード決済を活用して売上高や在庫を即時に把握する独創性が受賞理由だ。

 有識者を交えた審査委員会が審査した。桔梗原富夫(日経BP総研フェロー)を委員長とし、伊藤重隆氏(情報システム学会会長)、宮下清氏(日本情報システム・ユーザー協会常務理事、当時)、片岡晃氏(情報処理推進機構社会基盤センターセンター長)と日経コンピュータ編集長の大和田尚孝を委員とした。

 日本郵船は2019年7月10日に日経BPが都内で開くIT経営フォーラム「IT Japan 2019」の特別講演に登壇する。