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サッポロホールディングス(HD)が全社員にDX(デジタル変革)研修を行う。グループ4000人を対象に、3つの層に分けて人材育成プログラムを策定。このうちリーダー層は150人で、専門性によって4つに区分した。

 サッポロHDがDXの土台となる「全社員DX人財化」を進めている。グループの全社員約4000人を対象にデジタルリテラシーを向上させるのに加え、DX・IT案件を推進または支援できる人材を計650人育てる。同社は中期的にグループで必要なDX・IT人材が大幅に不足すると試算。2022年2月にDX・IT人材の育成プログラムを開始した。投資額は2022年度で1億円弱だ。

 サッポロHDはDX・IT人材を3つのステップ(層)として定義している。最上位の層はDX・IT案件を推進できる「DX・IT推進リーダー」、第2層は推進または支援できる「DX・IT推進サポーター」、第3層は全社員だ。これらの層別に育成プログラムを進める。

図 サッポロHDにおけるDX・IT人材育成プログラムの全体像
図 サッポロHDにおけるDX・IT人材育成プログラムの全体像
3層に分けてDX人材を育成(出所:サッポロホールディングスの資料を基に日経コンピュータ作成)
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 最上位のリーダー層として150人を選抜する。リーダー層は専門性で「DXビジネスデザイナー」「DXテクニカルプランナー(データサイエンス)」「DXテクニカルプランナー(ノーコード/ローコード開発)」「ITテクニカルプランナー」の4つに区分している。

 DXビジネスデザイナーは「DX推進の中核」(サッポロビールの安西政晴改革推進部DX推進グループリーダー)との位置付けで、自社の戦略に沿ってデジタルビジネスの企画・立案・推進などを担う。

 DXテクニカルプランナー(データサイエンス)は人工知能(AI)などのDXに関するデジタル技術やデータ解析に精通した人材、DXテクニカルプランナー(ノーコード/ローコード開発)はDX案件で新開発手法を用いデジタルツールの実装を担える人材だ。ITテクニカルプランナーはシステム基盤の方針設計・運用、セキュリティーガバナンスを理解し、協力会社をコントロールできる人材である。

 これらリーダー層の育成対象者は、共通の基礎研修に加え、4つの区分ごとの専門研修を受ける。さらに育成対象者に対して人材のアセスメントをした後、個別の面談を実施したうえで人事評価と関連付けた人材カルテを作成することを検討しているという。

 リーダー層を支えるサポーター層は500人育成する。AIやデジタルマーケティングなど8項目について合計で約30時間のeラーニングを受ける。DXの基礎的な内容に加え、他社の成功・失敗事例などを学ぶ。全社員の層は約6時間のeラーニングを受講し、他社事例を含めてDXについて学ぶ。eラーニングの教材はエクサウィザーズとインソースグループの製品を採用した。

 さらに2022年秋以降、リーダー層とサポーター層向けにDX推進の実践力を養う場として「ラボ」を設ける。業務課題解決のPoC(概念実証)を行い、成果を共有するといったことを検討しているという。