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2019年4~6月期は国内IT大手4社がIT事業の増収増益を達成した。富士通の営業利益は6倍に拡大し、NTTデータの営業利益は2位になった。底堅い国内IT需要を背景に、各社は通期業績予想の達成に自信を見せる。

 国内IT大手4社の2019年4~6月期の連結決算(いずれも国際会計基準)は2社ごとに明暗が分かれた。増収増益組はNECとNTTデータ。NECは2008年以来、実に11年ぶりに4~6月期の営業黒字を確保した。

 日立製作所と富士通は減収減益だった。富士通は円高やデバイス事業の再編が響き、営業利益が前年同期比95.7%減と大きく後退した。

表 国内IT大手4社の2019年4~6月期決算(▲はマイナス)
ITサービス事業にIoTや5Gの恩恵
表 国内IT大手4社の2019年4~6月期決算(▲はマイナス)
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 ただしITサービス分野に限ると4社とも増収増益で好調だった。顕著なのが富士通だ。システムインテグレーションやハードウエア販売で構成する「テクノロジーソリューション」分野は、売上高に当たる売上収益が同3億円増の6646億円、営業利益が同220億円増の261億円と6.4倍に増えた。

 特に自治体向けや産業・流通分野向けのシステムインテグレーションが好調だった。全体では減収減益でも主力事業が好調だった点に株式市場は敏感に反応。富士通が決算を発表した翌日の2019年7月26日、同社の株価は終値ベースで前日の7863円から9.3%増の8597円に上がった。

 全体で減収減益だった日立も、富士通と同じくITサービス分野は増収増益。ITセグメントの売上高は同3.0%増の4628億円、営業利益は同14.5%増の402億円だった。

 システム構築事業のほか、国内向けのストレージやパソコンサーバーの販売が好調だった。日立が力を入れるIoT(インターネット・オブ・シングズ)関連のLumada事業については、複数の顧客向けに標準化したソフトやサービスから成る「Lumadaコア」事業の売上高が3割以上伸びた。西山光秋執行役専務CFO(最高財務責任者)は「金融は大規模案件がほぼ完了したが、FinTechやAI(人工知能)関連の需要は強い」と語った。

NTTデータは海外も好調

 NECの売上高は公共機関向けの「パブリック」こそ同2.9%減だったが、企業向けの「エンタープライズ」が同19.8%増、通信事業者向けの「ネットワークサービス」が同11.6%増など、システム構築分野で10%を超える増収を記録した。

 営業利益もほとんどの部門で改善した。人員削減や拠点の整理といった構造改革の効果もあった。「マイナンバー関連や5G(第5世代移動通信システム)導入を見据えた固定ネットワーク整備などの案件も受注し、上々の滑り出しだ」(森田隆之CFO)。

 NTTデータは売上高が同4.4%増の5272億円、営業利益が同2.4%増の298億円で増収増益だった。営業利益は富士通を上回り、4社中2位だった。「計画通り。海外事業が順調に拡大した」(柳圭一郎副社長)。国内事業に加えてEMEA(欧州・中東・アフリカ)・中南米事業が好調だった。スペインの金融機関や通信会社向け事業が大幅に拡大した。

 4社とも2020年3月期通期の業績予想を据え置いた。国内事業の堅調さを裏付けとして、予想達成に各社が自信を持っているようだ。