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政府が「GAFA」と呼ばれる巨大IT企業に対する規制の整備に動き出した。個人情報の取り扱いや公正取引上の問題が日本でも浮上しているからだ。年内に基本方針を公表し、2019年中にも具体的な規則を作る見通しだ。

 経済産業省と公正取引委員会、総務省の3組織が共同で設置した有識者会議「デジタル・プラットフォーマーを巡る取引環境整備に関する検討会」が2018年11月5日、中間論点整理の案を公表した。情報の流通や取引を仲介する巨大IT企業を「デジタル・プラットフォーマー」と位置付け、現状の課題や検討すべき規制などを示した。米国の「GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム)」のほか、楽天やヤフーといった日本のネット大手が念頭にある。

図 政府の有識者会議がまとめた「デジタル・プラットフォーマー規制」の主な論点
図 政府の有識者会議がまとめた「デジタル・プラットフォーマー規制」の主な論点
取引の不透明さやデータ独占などを問題視
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 政府は異例のハイペースで検討を進めてきた。検討会は2018年7月の設置から非公開で7回の議論を実施。公表した論点整理案を踏まえ、11月中に日米のIT企業の担当者から意見を聞く公聴会を開き、年内には政府としての基本方針を公表する計画だ。2019年にはいくつかの分野で新たな規則作りが始まるとみられる。

 論点整理案の中でも大きな割合を占めるのが公正な取引や自由競争を巡る問題だ。デジタル・プラットフォーマーは電子商取引(EC)や情報検索など社会や経済に不可欠な基盤システムを提供する一方、ビジネスモデルが独自のアルゴリズムに基づくなど不透明だと指摘した。不公正な取引慣行の温床になっている恐れもあるとした。

「取引で不利益」9割近くに

 既に公取委が米アップルと携帯電話大手3社の端末納入契約を審査したりアマゾンジャパンが商品納入業者に協力金を求めた取引慣行について立ち入り調査したりしている。経産省は今回、デジタル・プラットフォーマーと取引がある事業者へのアンケートも実施し結果を公表した。「利用規約を一方的に変更され不利益を被った」と回答した企業が86%に上るなど、その支配力を裏付ける内容だった。そこで論点整理案は取引実態を把握する「大規模・包括的な調査」や、監視と政策作りを担う専門組織の必要性を指摘した。