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QRコード決済の覇権争いが激しさを増してきた。2018年は参入企業が相次ぎ、ユーザーの囲い込みが本格化。各社とも還元キャンペーンなど大胆な施策を打ち出し、消耗戦に陥りつつある。

 最初に勝負に出たのはソフトバンクとヤフーが共同出資するPayPayだ。2018年11月22日、総額100億円のユーザー還元キャンペーンを発表した。PayPayを利用したユーザーに決済額の20%を還元する。12月4日から2019年3月末までの期間限定ながら、赤字覚悟の大盤振る舞いで一気に利用者を拡大する算段だ。

総額100億円を上限に、PayPayでの決済の20%を還元
総額100億円を上限に、PayPayでの決済の20%を還元
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 記者発表会に登壇したヤフーの川辺健太郎社長は、ソフトバンクグループが2000年代にADSLモデムを街頭で無償配布したことに言及。「(赤字覚悟の)キャッシュレス決済の普及は我々だからこそできる」と意気込んだ。

 既にPayPayの全店舗導入を決めたファミリーマートの澤田貴司社長も登壇。店頭の特設ブースで来店客にPayPay加入を勧めるキャラバンを全国約2000店で実施すると表明した。

 対するLINEも11月27日に記者発表会を実施。中国版LINEともいえる「微信(ウィーチャット)」を展開する騰訊控股(テンセント)との協業を発表した。LINE PayのQRコード決済に対応した加盟店で、微信の決済機能「微信支付(ウィーチャットペイ)」を使えるようにする。LINEは韓国ネイバーとも連携し、2019年中に同社の決済機能を国内で使えるようにする。

中国のテンセントと提携。インバウンド中心に加盟店拡大に力を入れる
中国のテンセントと提携。インバウンド中心に加盟店拡大に力を入れる
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 LINE Payの長福久弘取締役COO(最高執行責任者)は中国や韓国などアジア各国の決済機能と連携することで、理論上10億人以上の利用者を抱え込めると説明。「LINE Payの加盟店になればアジア各国の利用者を獲得できる。これだけインバウンドの恩恵を加盟店が受けられるサービスはLINE Payだけ。導入しない理由はなくなった」と力を込めた。

 利用者への還元策もぬかりない。2019年7月末まで決済額の3.5~5%をポイント還元するキャンペーンを開始済みだ。2018年の年末商戦に向け、LINE Payの割り勘サービス利用者への優遇策も用意しているという。

消費増税も後押し

 各社がユーザー獲得へアクセルを踏み出した背景には、「2019年10月に予定される消費増税を機に、政府はキャッシュレス化を進めようとしている。2019年が大変重要な1年」(長福取締役)との共通認識がある。2019年の「QR決済元年」に向け一気に利用者を獲得しなければ、勝ち目はないと見込んでのことだ。

 各社の真の狙いはQR決済を通じて消費行動の「入り口」を握ることだ。QRコード決済の覇権を握れば、消費者の購買行動を詳細に把握し、広告や融資など様々なサービスに生かせる。

 ただし、生き残りには激しい消耗戦が予想される。中国はすでにアリババ集団とテンセントの2社で決着がついている。国内も残るのはせいぜい2~3社だろう。早ければ2019年には決着がつく。