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米マイクロソフトは中止していたWindows 10の大型更新を再開した。生体認証など企業のセキュリティー管理に有効な機能を強化した。更新後のサポート期間も1年延長し、Windows 7からの移行を促す。

 機能強化とサポート延長で企業に訴求する――。米マイクロソフトが2018年11月に配信を再開したWindows 10の大型更新「Windows 10 October 2018 Update(バージョン1809)」はこんな側面を持つ。マイクロソフトは10月2日に公開を始めたものの、更新時にファイルが消える不具合が発覚し直後に配信をいったん止めた。その後、同社は一定の条件で不具合が起こると認めて謝罪、修正したうえで11月13日に配信を再開した。

図 Windowsのサポート期間
図 Windowsのサポート期間
更新時期とWindowsの種類によりサポート期間が異なる
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 October 2018 Updateの目玉はパスワードなしで強固な認証ができる「Windows Hello for Business」である。利用者1人ひとりの顔や指紋を認証に使う。この生体認証の機能をPCにログインする用途以外に広げた。具体的にはWebブラウザーのEdge上でWebアプリケーションの認証に使ったり、ディレクトリーサービス「Azure AD」に参加したりできるようにした。

秋の更新はサポート30カ月に

 October 2018 Updateに併せてサポート期間も変えた。春と秋の年2回の大型更新について、秋の更新だけ一部のサポート期間を18カ月から30カ月に延ばした。対象は大企業の利用が多いWindows 10 Enterpriseと教育機関向けのEducation。HomeやProは18カ月のままとした。

 Windows 10は7など以前のOSと異なり、年2回の大型更新によって新機能を追加したり既存の機能を強化したりする。その上で、それぞれの大型更新に対してサポート期間を設けた。ただし企業ユーザーは必ずしも年に2回も更新をしない。できる限り更新せずに安定した状態で使い続けたいからだ。そうした要望に応える形でサポート期間を1年延ばした。

 Windows 7を使っている企業ユーザーにとって、サポート期間の短さが10への移行をためらう理由になっていた。検証などの工数をかけて10に移行しても1年半後にはまた更新しなければならないからだ。日本マイクロソフトの津隈和樹シニア プロダクトマネージャーは「我々としては半年ごとに大型更新して最新機能を使ってほしいと考えていたが、企業からは更新の負担を軽くしたいとの要望が強かった」と説明する。

 Windows 7のサポート終了まで残り1年2カ月を切った。October 2018 Updateを適用した10にこのタイミングで移行すれば30カ月、つまり2年半は大型更新せずに使い続けられる。1年後の2019年秋の移行でも30カ月のサポートを受けられるものの、その時期は消費増税に重なる。駆け込み需要でPCの価格は今秋よりも上がるとみられる。これらの要因を勘案すると、Windows 7から10への更新は今が好機と言えそうだ。