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大和ハウス工業が印西市に国内最大級のデータセンター(DC)を構築中だ。完成すれば東京ドーム約7個分、総延べ床面積約33万平方メートルとなる。DCへの旺盛な需要を見込み、事業者とDC開発に関する知見を蓄積する。

 新プロジェクト「千葉ニュータウンデータセンターパークプロジェクト(仮称)」は大和ハウスが2018年に千葉県とUR都市機構から工業団地の用地として取得した42万平方メートルのうち、約23万5000平方メートルをDC団地として使用する。

 1棟目となる5階建て、延べ床面積2万6000平方メートルのDCを2020年10月15日に着工。同年11月16日には1階建て、延べ床面積が5000平方メートルとなる2棟目も着工した。いずれもオーストラリアのDC事業者であるエアトランク向けだ。

 印西市にある千葉ニュータウン周辺では英コルトグループや米デジタル・リアルティ・トラスト、米エクイニクス、三井不動産などが続々とDCを新設している。同地域は安定した地盤に位置するなど、BCP(事業継続計画)の観点でDCに適しているからだ。

 一般的にDC事業者には自ら施設を保有したいというニーズがある。これを大和ハウスは共同事業のような形にして、DC開発の知見を蓄積したいと考えたという。その背景には米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)や米マイクロソフト、米グーグルといった大手クラウド事業者を中心とする大規模DCへの旺盛な需要がある。日本はクラウドの利用が遅れている分、将来的に市場規模の拡大が見込まれている。

 大和ハウスの更科雅俊東京本店建築事業部事業部長は「デジタル庁の発足や5G(第5世代移動通信システム)、新型コロナウイルスによる企業のリモートワーク利用などで今後も大きな需要が期待できる」と話す。

「規模が大きいほうがより強みに」

 今回のプロジェクト向けの用地には、印西市の施策として交通渋滞などの問題から「物流施設(営業用の倉庫)が建てられない」という制約があった。そこで浮上した案がDC開発だった。

 大規模な変電所の誘致に成功したことも、今回のプロジェクトにかじをきる後押しとなった。東京電力ホールディングス傘下で送配電事業を担う東京電力パワーグリッドが、最大1000メガワットの電力供給が可能な超高圧変電所を新設する。2024年秋ごろにも電力供給を開始する予定だ。「DCは(電力や通信インフラの面でも)集積するメリットがあるので、規模が大きいほうがより強みになる」(更科事業部長)。通信回線の敷設はエアトランク側で通信事業者との交渉が進められているという。

 大和ハウスはDC開発を物流施設開発に続く事業の柱と位置付け、初のDC専用施設となる今回のプロジェクトに総額1000億円を投じる。設計ノウハウや工業用地活用の知見を基に、国内外の事業者を呼び込む考えだ。

図 豪エアトランク向け施設の完成イメージ
図 豪エアトランク向け施設の完成イメージ
DC開発を次の柱と位置付ける(画像提供:エアトランク)
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