全1110文字
PR

祝日の移動に関する特別措置法が2020年11月、臨時国会で可決・成立した。2021年は東京オリンピック・パラリンピックの延期開催に伴い、2020年と同様に祝日が移動する。情報システム担当者は注意が必要だ。

 2021年に限り、海の日(7月第3月曜日)が東京五輪の開会式前日に当たる7月22日に、スポーツの日(10月第2月曜日)が開会式当日の7月23日に、山の日(8月11日)が閉会式当日の8月8日に移動する。同日は日曜日のため、翌8月9日が振り替え休日となる。移動後の海の日やスポーツの日、山の日はそれぞれ平日になる。

 祝日移動の目的は東京五輪開催に伴う交通混雑の緩和にある。五輪開催に向けた機運を醸成する狙いもある。

図 2021年7~8月の祝日
図 2021年7~8月の祝日
1年限りで祝日が移動する
[画像のクリックで拡大表示]
間違った祝日のまま印刷されたカレンダー
間違った祝日のまま印刷されたカレンダー
[画像のクリックで拡大表示]

 今回の祝日移動は年が明ける約1カ月前に決まるというドタバタぶりだった。祝日関連法を所掌する内閣府大臣官房総務課の担当者は「2020年秋ごろから問い合わせが増えたが、明確に答えられず心苦しかった」と明かす。

大局は問題なしか

 祝日移動に伴う具体的なシステム対応としては、祝日の変更が必要だ。日立製作所は「祝日を意識する業務システムにおいては、祝日をパラメーターとして持たせるのが一般的だ。祝日が変わったり追加されたりした際にはパラメーター変更で対応するが、最低限の動作検証は必要だ」(広報)とする。

 富士通の川崎智治ソフトウェアプロダクト事業本部サポート技術統括部サービス技術部長は、「単に祝日設定を変えればいいので、難度は低い」と話す。ただ「システムの種類によっては、運用テストに手間取ることもあるかもしれない」とみる。NECと日立も「経験済みであり難度は高くない」(広報)という見解だ。

 比較的新しいシステムは簡単な設定変更だけで対応できる可能性が高そうだ。あるキャッシュレス決済事業者のシステム担当者は「会計システムや営業管理システムの祝日カレンダーの定義ファイルを更新する程度で、影響はほぼない」と話す。

 重要インフラを担う企業も問題視はしていない。京王電鉄の場合は「平日も休日も関係なく動くシステムが多いため、祝日が移動しても影響はあまりない」(鉄道部門の担当者)とする。日本取引所グループは傘下の東京証券取引所などのシステムについて「2020年と同様の作業であり、特段の影響はないとみている」(広報)とする。

再度変更になったらどうなる

 東京五輪の日程が再度変更されたらどうなるのか。「2020年3月に延期が決まった際にも祝日を元に戻すことが検討されたが、直前の変更は国民生活に大きな影響を与えるとの観点から、結局見送られた」(内閣府大臣官房総務課)。祝日据え置きの前例は踏襲されるかもしれない。