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モバイル端末の普及で社内無線LANの需要が高まっている。接続数の増加でアクセスポイントのリプレースや増設が必要なケースも多い。既存の設定を安易に引き継ぐと思わぬトラブルに遭遇するので注意しよう。

 社内でノートパソコンやタブレット端末を利用するには無線LANが欠かせない。だが無線LANにトラブルが発生すると、目に見えない電波を使った通信のため原因特定に時間がかかりがちだ。今回は筆者が経験した無線LANにまつわるトラブルの事例を2つ紹介する。

事例(1)
一部の専用機器が接続できない

 A社は業務パソコンと無線LAN機器のリプレース計画を立てた。リプレースを機に部署単位で導入していた無線LANを全フロアをカバーする全社の無線LANに変更。新たな無線LANアクセスポイントを設置し、業務パソコンを新規アクセスポイントに順次接続する計画だった。

 ただしA社には業務パソコン以外にバーコードリーダーを搭載した小型の入力専用機器や可搬型の計測専用機器があった。これらの機器も新たな無線LANアクセスポイントに接続しなければならなかった。A社は業務パソコン用に無線LANのSSIDを新規設計し、専用機器は既存のSSIDを引き継ぐことにした。

 業務パソコンと新規無線LANアクセスポイントの接続は順調に進んだ。ところが専用機器の無線LANの接続先を既存アクセスポイントから新規アクセスポイントに切り替えた直後、一部の専用機器が無線LANに接続できない問題が発生した。

 すぐに担当者が現場に駆けつけ解決に乗り出した。担当者はまず無線LANにつながらない機器を確認した。すると接続できない機器は可搬型の計測専用機器のみと分かった。

 原因を調査するため停止していた既存アクセスポイントを起動すると計測専用機器の無線LAN通信が復旧した。担当者は新規アクセスポイトに引き継いだ設定の不備を疑った。SSIDやPSKの事前認証鍵の文字列などを確認したが間違いは見つからなかった。

 続いて担当者は新たに設置した無線LANコントローラーの管理画面でアソシエート(接続)のログを調査した。無線LANアクセスポイントと接続すればアソシエートのログが残るはずだ。ところがログの中に接続を試みた形跡はなかった。

図 A社で発生したトラブル
図 A社で発生したトラブル
新規無線LANアクセスポイントに切り替えると一部の専用機器と接続できない
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