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GAFAMと呼ばれる米グーグル、米アップルなど5社は何の企業か。医療や生活を支える社会基盤の担い手になりつつある。新型コロナウイルス対策を中心に各社の事業ポートフォリオを確認する。

 GAFA(米グーグル、米アップル、米フェイスブック、米アマゾン・ドット・コム)という略称は普通に使われ、米マイクロソフトを加えてGAFAMとも書く。5社の好業績を経営者も情報システム責任者も知っており、検索、スマートフォン、SNS(交流サイト)、EC(電子商取引)、オフィスソフトを利用している人も多い。ただし、多種多様な事業を展開する5社の全体像はつかみにくくなっている。

 5社を「プラットフォーマー(プラットフォーム提供者)」と呼ぶこともある。和製英語らしいが5社は「新たな社会基盤」の担い手でもある。社会基盤とは、ICT、活動(生活や仕事)、情報がつながり、一体になった状態を指す。巨額の研究開発費を投じる5社の動きは新事業や変革の前提になる社会基盤の充実につながり、業種や規模を問わずすべての組織に影響を与える。そこで5社の事業ポートフォリオを医療、生活、働き方、教育に分けて展望する。今回は医療領域を見る。

全製品を医療対応にするアップル

 米スタンフォード大学は4月、「First Responder COVID-19 Guide」と呼ぶスクリーニング用アプリの提供を始めた。質問に答えると、救急隊員、消防士、警察官などエッセンシャルワーカーがウイルス検査を受けるべきかどうかを判断できる。スタンフォード大はアップルの支援を受け、iOSデバイスで動く医療研究用アプリの開発フレームワーク「ResearchKit」を使って開発した。同キットを利用すると膨大な利用者がいるiOS関連デバイスを使い、バイタルデータや行動履歴などを医療研究のために収集できる。Apple WatchはECG(心電図)記録機能について米FDA(食品医薬品局)から認可を受けるなど各国で医療機器としての許可が下りている。日本でも2020年6月1日、医薬品医療機器総合機構が管轄する「認定・登録外国製造業者リスト」にアップルが記載された。

 アップルは医療関係の提携や買収も続ける。例えばジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)の医薬品部門との共同研究として「Heartline Study」と呼ぶ活動を2020年2月から始めた。65歳以上の人を対象にiPhoneとApple Watchのアプリを提供、心臓の健康状態に関するデータを収集する。2019年には子供のぜんそく症状を追跡するアプリ&サービスを手掛けるトゥーエーオー(Tueo)ヘルスを買収した。