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「CX(カスタマーエクスペリエンス、顧客体験の改善)」は重要だ。ある調査によると成果を上げている企業は4社に1社しかない。成功には「カスタマージャーニー」の設計が不可欠である。

 「CXイニシアチブで勝者と言えるのは全体の25%にすぎない」

 米カスタマーシンクのボブ・トンプソンCEO(最高経営責任者)はこう指摘する。同社は「顧客中心経営(カスタマー・セントリック・ビジネス・マネジメント)」に関するリサーチを手掛けており「CustomerThink.com」と呼ぶWebサイトを運営している。

 CXイニシアチブとはカスタマーエクスペリエンス(顧客体験)を改善させる取り組みを指す。CXイニシアチブを進める約200社を調査したところ、「数値で把握できる利益(ベネフィット)を上げ、競争力を強化できた」企業が全体の25%、「改善の兆候が見えてきた」企業が58%、「始めたばかりでまだ結果が出ない」企業が17%、という結果だった。利益とは顧客満足度の向上、強いブランドの形成、従業員の意欲(エンゲージメント)改善、顧客との関係(リテンション)改善などを指す。

成功する戦略は「唯一の体験」

 調査においては主要なCX戦略とその成功率も調べた。最もよく採用されている戦略は「タッチポイントの改善」(顧客に応対するコールセンターなどの活用)で回答企業の44%が取り組んでいた。次が「シームレスなカスタマージャーニー」(39%)。接触した顧客に対し、切れ目のない体験を提供するもの。さらにライバル他社が提供できない体験を顧客に味わってもらう「唯一のエクスペリエンス」が14%だった。

 成功率の高さの順番は逆になり「唯一のエクスペリエンス」が56%、「シームレスなカスタマージャーニー」が24%、「タッチポイントの改善」が18%となった。つまりタッチポイントの改善だけではなかなか前述の「利益」を出せない。顧客に一貫した体験を届け、さらにそうした体験をユニークなものにしていくことで利益を得られる。

 調査結果とその分析に基づきトンプソンCEOはCXイニシアチブで利益を出し、勝者になるカギを3点挙げる。

1.カスタマージャーニー それぞれの顧客に唯一の、そしてシームレスな体験を届ける。そのためにはジャーニーの内容をまとめたマップをつくる。ジャーニーを提供する顧客群をいくつか決め、そこにおける顧客の特徴(ペルソナと呼ぶ)を描く。そのペルソナが企業に接触してから、検討、購入、利用、保守などに至るまで、どのようなジャーニー(旅)をしていくのかを考え、どのタッチポイントでどの体験を提供するのかを設計していく。「顧客のクレームや要望に対処することはもちろん必要だが、それをCXイニシアチブとは呼ばない。CXの目的は問題解決ではないからだ」(トンプソン氏)。

2.ビジネスケース CXイニシアチブへの投資によりビジネス上、どのような利益が得られるかを説明する資料を用意する。経営者や事業部門長に目に見える効果を示し、投資を続けてもらう。「ステークホルダーを説得するビジネスケース作りは常に課題として挙がる」(トンプソン氏)。

3.エグゼクティブ 経営者や事業部門長が自らCXイニシアチブに参加し、チームを後押しする。「エグゼクティブの関与が最も重要な成功のカギ」とトンプソン氏は強調した。

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