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社会基盤であるソーシャルメディア上で多くの経営者が発信する時代である。自社の重要な動きや社会の有事に際し、自分の考えを自分の言葉で伝えていく。炎上を恐れてソーシャルメディアを避けていては社会の一員とみなされない。

 「私たちは最も基本の必需品を求めて奮闘するミシシッピ州ジャクソンの人々のことをこの夏、考え続けています。それはクリーンな水です。アップルは食料と水をすぐ配布する、現地の救援活動に寄付しています」(9月3日)

 「パキスタンと周辺地域の洪水は壊滅的な人道への災害です。私たちの思いは愛する人を失った人々、家を追われた多くの家族、影響を受けたすべての人々と共にあります。アップルは現地の救援と復旧の取り組みに寄付します」(8月31日)

 「私たちの心はケンタッキー州と周辺の州で洪水の壊滅的な影響を受けたすべての人々と共にあります。被災地の皆様、どうぞ安全に。アップルはコミュニティーの救援と回復の取り組みに寄付します」(8月1日)

 2022年8月から9月にかけ、米アップルのティム・クックCEO(最高経営責任者)はツイートで洪水の被害を受けた地域に言及した(日付は日本時間、和訳は本誌、以下同様)。以前からクックCEOは災害にコメントしてきた。グローバル企業の経営者として、“Our thoughts are with those”“Our hearts are with everyone”といった言葉で「世界の人たちと共にいる」という姿勢を示している。

自身の意図や考えを自ら発信する

 「私たちの国立公園は世界中から訪れる人々を歓迎する、我が国最大の宝物の一部です。私たちを自然に結びつけ、私たちの惑星がいかに貴重かを思い出させてくれます」(8月23日)

 このツイートは米国国立公園局の106周年を記念し、アップルが8月末まで実施した寄付活動を紹介したものだ。Apple Payを使った購入があるたびにアップルは10ドルを国立公園財団に寄付した。寄付に代表される社会への活動についてクックCEOは常に意図や考えを述べる。自ら発言し、経営者としての思いを正しく、直接届けていく。社会問題への関心を高める意味もある。

 「おはよう!恒星(stellar)アップルイベントが楽しみです」(9月7日)

 「ビッグニュースです。iPhone 14 Pro、iPhone 14、Apple Watch Ultra、Apple Watch Series 8、AirPods Proを紹介します」(9月8日)

 自社に動きがあると当日の朝、そして開催直前にツイートを連投する。イベント“Far Out.”のロゴは恒星で描かれたリンゴだった。クックCEOはツイートへの返信を制限しておらず様々なコメントが書き込まれる。アップルの活動に関わるコメントがあると直ちに担当部門が返信する。

 「スティーブの遺産は私たちの会社、そして私たちが生み出す製品とサービスに生き続けています。スティーブ ジョブズ アーカイブはあらゆる人の可能性を刺激する場所として作られました」(9月8日)