全2289文字
PR

200回を超えた本連載ではIT以外のテクノロジーもたびたび紹介してきた。IT専門家はIT以外にも目を向けることで本来の仕事ができる。様々なテクノロジーの本質をつかみ、経営者や事業部門と対話しよう。

 前回で本連載は200回を迎えた。そこで今後数号にわたって第1回(2014年1月6日号)以降の記述を振り返ってみる。200回分は日経クロステックの記事として公開されており目次を眺めていると色々な発見がある。

IT以外を知ることが重要

 今回は「IT以外のテクノロジーを知ることの重要性」について述べる。『IT専門家の対話術』と題したにもかかわらず200回の中でIT以外のテクノロジーに関する記事がかなりあった。

 例えば米グーグルや米アップルなどについて『GAFAMはIT企業にとどまらない 社会基盤を担いウイルスに対峙』(第165回)で「5社の事業ポートフォリオを医療、生活、働き方、教育に分けて展望する」とし、以降数回、医療関連のテクノロジーや二酸化炭素除去への取り組みなどを紹介した。

 日経BPの専門記者が総出で将来有望なテクノロジーを選び、解説する取り組みがあり本欄で継続して報告してきた。第20回に「技術系記者200人による情報発信プロジェクト『テクノインパクト2014』を実施しており、11月に二つの発表をした。日経トレンディ誌における『2015年に消費を変える注目技術』の発表と、イベント『社会イノベーション2014』における『研究所長が選んだ社会を変える技術』の発表である」という記載があった。

 第80回で「企業人が期待する新技術ランキング」を掲載した。専門記者によるテクノロジー探索と企業人に向けた調査は年1回実施しており、結果を書籍『100の技術』シリーズとして2016年から毎年10月、発行し続けている。

 2021年は『日経テクノロジー展望2022 世界を変える100の技術』を刊行した。図はその第1章に掲載したもので次のように説明した。「社会が変わり、その影響を受けて技術が変わる。逆に技術が変わり、その影響を受けて社会が変わる」。前回本欄で最も大きな変化として「インターネットとモバイルデバイス、クラウドコンピューティングサービスによって新たな社会基盤が成立したこと」を挙げた。さらにIT以外のテクノロジーがこの社会基盤に載り、社会や事業を変えつつある。

図 テクノロジーが与える影響
図 テクノロジーが与える影響
社会と技術が変わり事業を変える(インターネットとモバイルデバイスが新たな社会基盤になり、そこにIT以外のテクノロジーが加わり、ビジネスを変えていく)
[画像のクリックで拡大表示]

 IT以外のテクノロジーを繰り返し紹介してきたのは、IT専門家が事業や業務の改革といった本来の仕事をこなすためにIT以外のことを知る必要があると考えるからだ。改革を進めるためにはITと他のテクノロジーを組み合わせることが有効である。また第20回で「(IT以外の)技術の将来動向に関する記事を読んだ社長が何かの機会に技術に関わる質問をしてきた際、情報システム部門の責任者としては応答しなければならない」と書いた。