
(写真:Getty Images)
地方銀行の勘定系システム共同化の勢力図に異変が起きている。きっかけは広島銀行。日本IBMからNTTデータのシステム共同化へと、乗り換えを決めたことだ。中四国のトップバンクの決断は、地銀向けのシステム共同化を手掛けるITベンダーの勢力図を塗り替えるインパクトを秘める。現在は10以上の共同化陣営が乱立している。「広銀ショック」を転機に、陣営をまたいだ連携を模索する動きも出てきた。
「広銀ショック」が塗り替える勢力図
地方銀行の勘定系システム共同化の勢力図に異変が起きている。きっかけは広島銀行。日本IBMからNTTデータのシステム共同化へと、乗り換えを決めたことだ。中四国のトップバンクの決断は、地銀向けのシステム共同化を手掛けるITベンダーの勢力図を塗り替えるインパクトを秘める。現在は10以上の共同化陣営が乱立している。「広銀ショック」を転機に、陣営をまたいだ連携を模索する動きも出てきた。
[Part 1]
広島銀行が日本IBMからNTTデータ陣営に乗り換える「広銀ショック」の波紋が広がっている。背景にはパートナーであるふくおかフィナンシャルグループとの方向性の違いも見え隠れする。各地の有力地方銀行を押さえ、盤石に見えたIBM陣営に綻びが生じ始めた。
[Part 2]
地方銀行の勘定系システム共同化を巡り、ITベンダー間の争いが激しさを増している。広島銀行が日本IBMからNTTデータ陣営への乗り換えを決め、預金量で両社のシェアは肉薄。採用行数だけでなく、預金量でもNTTデータが首位を奪取するシナリオが現実味を帯びてきた。
[Part 3]
地方銀行の勘定系システムで2強の日本IBMとNTTデータは、「共同化の共同化」を志向する。文字通り、共同化陣営をまたいでシステム基盤を共同利用する構想だ。既存の共同化ですら参加行の利害がぶつかりかねないなか、実現までには曲折も予想される。