ネットワンシステムズの「X氏」が主導し、日鉄ソリューションズや東芝子会社など少なくとも9社が関わる循環取引が発覚した。期間は4年以上にわたり、水増し額は1000億円を超える。ネットワンの首謀者「X氏」は懲戒解雇され、関与した各社は「巻き込まれた」と主張する。だが、各社は本当に被害者なのだろうか。循環取引などの不正会計は2000年代に頻発し、業界一丸となって再発防止に努めてきたはずだった。再び表面化した「闇」の全容を解き明かし、今度こそ循環取引と決別するための方策を探った。

特集
緊急特集、循環取引
IT業界の「闇」再び
目次
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繰り返される不正会計 行き着く先は経営破綻
ITベンダーによる不正会計は2000年代後半にも相次ぎ発覚した。中には経営破綻したり経営者が逮捕されたりした企業もあった。繰り返される背景にはIT業界の構造的な問題がある。
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「悪癖」なくせるか 識者に聞く根絶策
IT業界の人々は何度も懲りずに架空取引や循環取引に手を染めてきた。企業は「巻き込まれた」と被害者の立場を装うが、それは言い逃れにすぎない。IT企業が当事者意識を持ち、不正根絶に臨むべきだ。問題点と具体策を専門家に聞いた。
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水増し、1000億円超 循環取引の全容判明
IT業界の「悪癖」がまた顔を見せた。ネットワンシステムズや東芝子会社など少なくとも9社が関与した循環取引が発覚した。各社の売り上げの水増し額は合計で1000億円を超えた。