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 赤ちゃんは1日中、目が離せない。寝ている間でさえ親は心配だ。うつぶせ寝などが原因で窒息死したり、就寝中に突然死したりするケースがある。

 おむつを替えたりミルクを作って与えたりするのも、親にとって大変な作業だ。赤ちゃんは昼夜を問わず1日何度も排せつするし、ミルクを欲しがる。

 そして何よりつらいのは赤ちゃんが泣きやまないことである。理由が分からないままずっと泣き続けられると、親のストレスは限界に近づく。

 赤ちゃんの子育ては親にとって苦労の連続だ。その大変さは昔から同じだが、共働き夫婦が増えたり、核家族化が進んで祖父母の手助けを当てにできなくなったりしている。親の負担は増すばかりである。

 そんな中、デジタル技術によって赤ちゃんの子育てを支援する製品やサービスが登場している。

 例えば睡眠中の赤ちゃんの様子を見守る「ベビーモニター」だ。寝ている赤ちゃんの映像をカメラで撮ってモニター端末に送信するだけではない。IoT(インターネット・オブ・シングズ)やAI(人工知能)などの技術を取り入れ、赤ちゃんの睡眠からの目覚めや呼吸異常などを検知する。

 赤ちゃんの泣き声から「気持ち」を推測するAIアプリ、妊婦が胎児の状態をいつでも知ることができるセンサー機器も登場している。先進ITを活用した「ベビーテック」の最新動向を見ていこう。

目覚めると通知
ベビーモニター「KX-HC705」

図 パナソニックのベビーモニター「KX-HC705」
図 パナソニックのベビーモニター「KX-HC705」
カメラ端末で目覚めや泣き声を検知
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パナソニックの近藤譲アプライアンス社Sコミュニケーション・メディア商品課主務
パナソニックの近藤譲アプライアンス社Sコミュニケーション・メディア商品課主務
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 まずはベビーモニターだ。代表例がパナソニックの「KX-HC705」である。赤ちゃんのそばに置くカメラ端末と、親が手元に置くモニター端末から成る。カメラ端末はマイクとスピーカー、室温センサーを搭載する。

 基本機能は赤ちゃんの様子を離れた場所のモニター端末に映すことだ。カメラ端末で赤ちゃんが寝ている映像を撮影し、無線でモニター端末に送る。カメラ端末は画像の差分を分析する機能を持つ。起き上がる、寝返りをする、といった大きな動作を検知する。マイク機能は周波数を限定して赤ちゃんの泣き声だけを拾う。

 これらの機能によって赤ちゃんが起きたり泣いたりしたとき、親が見るモニター端末に通知する。泣きやんで再び眠りにつくように、胎内音や心音、波の音、子守歌などを自動で鳴らすことも可能だ。「赤ちゃんを持つ親は家事をしている間も不安になる。不安を軽くしたい」と、パナソニックの近藤譲アプライアンス社Sコミュニケーション・メディア商品課主務は話す。

 同社は監視カメラやインターホンなどの事業を手掛けており、それらのノウハウを活用しKX-HC705を開発した。米国で2018年からベビーモニターを売り出し、日本では2019年5月に販売を始めた。

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