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トヨタ、コマツも参入を急ぐ

 GAFAが勢力を強めるなか、既存の企業がプラットフォーム型ビジネスに乗り出した。トヨタはその1社だ。

コネクテッド戦略の現状を説明する友山茂樹トヨタ副社長(2019年2月)
コネクテッド戦略の現状を説明する友山茂樹トヨタ副社長(2019年2月)
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 「カーカンパニーからモビリティーカンパニーとしての新たな成長を目指す」。新規事業などを統括するトヨタの友山茂樹副社長は2019年2月6日の2018年度第3四半期決算会見で、こう決意を語った。

 トヨタは2020年までに全ての自動車に車載通信モジュールを標準搭載し、インターネットに接続するコネクテッド戦略を打ち出している。カーシェアなどの移動サービス事業者に提供していた車両管理システムやリースプログラムといった機能を統合し、コネクテッド戦略に基づき収集したデータを活用する「モビリティーサービス・プラットフォーム」を構築する方針だ。

 2018年10月にはソフトバンクとモビリティーサービスの共同出資会社「モネ・テクノロジーズ」を設立した。トヨタとソフトバンクはプラットフォームを活用して移動や物流のほか、医療や飲食といった多岐にわたるサービスを展開する構想だ。

 トヨタには先行事例がある。2012年にMaaS(モビリティー・アズ・ア・サービス)プラットフォームを始めた独ダイムラー子会社の独ムーベルだ。2018年8月に、様々な交通サービスの予約や支払いができるアプリの利用者が500万人を超えたと発表。同年9月には独BMWとモビリティーサービスの新会社を設立すると発表した。

 コマツもプラットフォーム型事業を進める1社だ。NTTドコモやSAPジャパン、オプティムと共同で新会社ランドログを2017年10月に設立。建設業向けIoT(インターネット・オブ・シングズ)プラットフォーム「LANDLOG」を活用した事業展開を狙う。

 LANDLOGのAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)を公開し、コマツの建機だけでなく他社の建機や建機以外のトラックを含めた運行管理を可能にする。建機の製造・販売から工事現場におけるマネジメントの最適化に事業領域を広げていく考えだ。

LINEとみずほフィナンシャルグループ(FG)が新たな銀行設立を発表(2018年11月)
LINEとみずほフィナンシャルグループ(FG)が新たな銀行設立を発表(2018年11月)
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 コミュニケーション分野を中心にプラットフォーム型ビジネスを展開するLINEは動画や音楽、漫画などの「コンテンツ・プラットフォーム」と、決済や求人などの「ライフ・プラットフォーム」の拡充を急ぐ。2018年11月には、みずほフィナンシャルグループ(FG)と新銀行を設立すると発表した。自社のプラットフォームに銀行が独占してきた金融サービスを加え、事業強化を狙う。

 企業がこぞってプラットフォーム型を目指すのは「自分がやらなければ必ず誰かがプラットフォームを作ってしまう」(早稲田大学でIT戦略研究所長を務める根来龍之教授)との危機感からだ。後手に回ればGAFAのようなプラットフォーマーの軍門に下るしか生き残る道はなくなる。