データマネジメントにアジリティー(俊敏性)が求められるようになってきた。データ統合や分析基盤整備に時間をかけると、ビジネスの成果を得るまでに長い期間を要してしまう。データマネジメントを素早く、かつ柔軟に実行するためにクラウドが適している。
デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展とともに、データマネジメントにはアジリティー(俊敏性)が求められるようになってきました。各種調査によると、データ活用の成熟度が高い企業ほど収益力が高いという結果が出ています。データ活用に成功した企業が登場すると、競合企業はそれよりも優位に立つために、より短期間でデータ活用の成果を出したいといったビジネスニーズが強くなります。
ただし、成果を出すまでにはデータの分析と仮説検証を繰り返す必要があります。データ分析のためのデータ統合や分析基盤の整備といったデータマネジメントに時間をかけていては、成果が出るまでに長い時間を要してしまいます。データマネジメントをスピーディー、かつ柔軟に実行できることがデータ活用をより早く成功させる必要条件なのです。
クラウドでマネジメントを効率化
現在、データマネジメント業務を効率化できるクラウドサービスが続々と登場しています。クラウドサービスの中でもデータマネジメントに関わる分野は進歩のスピードが速い領域の1つです。データ活用の習熟度が高くない企業にとっては、コストや技術的な難度の高さから解決が困難だった課題を、新たなサービスを導入することによって解決できる可能性があります。
既にデータマネジメントに本格的に取り組んでいる企業にとっても、ベストプラクティスが変わる可能性があります。クラウドサービスは今や、データマネジメント業務の生産性を高く保ち、スピード感をもってデータ活用を進めていくためには欠かせないツールになっているといえます。
サービス間の統合と連係
クラウドでシステムを構築する場合は、単一の役割を持つサービスを複数組み合わせるのが一般的です。その組み合わせや各サービス間の連係は利用者が考えて実装するのが一般的でした。データマネジメント業務でいえば、各サービス間でのデータの受け渡しや、データにアクセスするサービスに向けて個別にアクセス権限を管理するといった作業です。
しかしここ最近はサービス間でのデータ連係や、複数のサービスを俯瞰(ふかん)したデータの活用を実現するサービスや製品が出てきています。複数のサービスで構成するクラウドのシステムを、統合した1つのアーキテクチャーとして利用できるようになっています。