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デジタルトランスフォーメーション(DX)ではデータベース(DB)に求められる特性が変わる。従来の業務システムとは異なり、多様性、柔軟性、スピードがDBに要求される。クラウドサービスの利用が最適だが、データベース構築における考え方も変わる。

 新連載「DXを成功させるデータベース構築」ではデジタルトランスフォーメーション(DX)によるデータベース構築の変化を説明し、どう対応すればよいのかを解説していきます。

クラウドでDXを加速させる

 DXはデータベース(DB)に対して従来の業務システムではあまり求められなかった特性を要求します。(1)多様性、(2)柔軟性、(3)スピードです。

 1つ目の多様性は利用できるDBの種類を指します。DXは多様な種類のデータを扱います。これまで主流だったRDBMSだけでなく、新しいデータ構造を専門的に取り扱うNoSQL(Not Only SQL)や、大量のデータを取り扱うデータウエアハウス(DWH)の利用がDXの展開には有効です。DBの領域で最も活発なイノベーションが起こっているのがクラウドです。クラウド側にデータがあれば、多様なDBサービスの中からDXの目的に合ったものを利用できます。今後、本連載で各種DBサービスを解説します。

 2つ目の柔軟性は使いたいときに使いたいDBを利用できることです。この点でクラウドは有利です。例えばデータレイクの構築のしやすさが挙げられます。データレイクは大量のデータを1カ所に集め、用途に応じて取り出し、加工して活用するデータ基盤です。データレイクに入れるデータはRDBMSから抽出したデータやアプリケーションが送るログ、端末のセンサーから送られるデータなど多岐にわたります。データのフォーマットはCSVやドキュメント、ログ、動画など様々です。これらを未加工のまま保存します。取り出したデータはETL(抽出・変換・ロード)ツールなどを用いてクレンジングや加工を施します。

 DXを進める過程でシステム要件が変わり、異なる種類のDBを使いたくなるケースもあります。データレイクにデータを集めておけば、新たなDBを用意して使い始めるまでの時間を短縮できます。

図 データレイクを中心とするシステム構成例
図 データレイクを中心とするシステム構成例
短期間で新たなDBを展開
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 3つ目のスピードによって、利用したいときにすぐ利用できる状態になります。クラウドではDBサービスについても構築や運用の自動化を進めており、DXを加速させる基盤として適した条件がそろっています。

 では、クラウドにおけるDB構築の変化についてクラウドの選択、DB構築の工程、運用に分けて見ていきます。