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オンラインの普及で「カジュアルなコミュニケーション」が行き場を失っている。テキストチャットには電話やメールにはない利点があり、カジュアルな場面に向く。オンラインで部下との会話を増やすためのテキストチャットの活用法を解説する。

 これまで、システム開発など一部のプロジェクトではSlackなどのチャットが人気だったものの、多くの業種、業務ではコミュニケーションは対面とメールが基本。チャットは推奨されていなかった、という方が多いのではないでしょうか。

 しかし、このところ業種、業務を問わず在宅勤務が急速に増えました。TeamsやZoomが導入されるようになり、会議室で行われていた「正式な会議」は、こうしたビデオ会議で代替されるようになりました。

 では、相談や雑談など、予定表に入れないような「カジュアルなコミュニケーション」についてはどうなったでしょうか。コミュニケーション手段がメールと電話のみとなり、それ以外の会話は消えてしまったというケースが多いのではないでしょうか。部下からのこまごまとした「報・連・相」はもちろん、チームメンバー同士の、メールではわざわざ送らないような意見や、自動販売機の前で行われていたような雑談は行き場を失ってしまいました。

 こうした社員同士のコミュニケーションの減少は、仕事にも少なからず悪い影響を与えているものです。今回は、オンラインで部下との会話を増やすためのテキストチャットの活用について解説します。

板挟みの状況から救ってくれる

 なぜ今、オンラインマネジメントにテキストチャットを使うべきなのでしょうか。部下を持つ皆さんは、適切なタイミングで報・連・相を行うように部下を指導しているでしょう。在宅勤務になろうとも業務上、システムに入力が必要な情報や報告書を添付してのメール報告は、以前と比較してそれほど質が低下する恐れはありません。問題意識を持たなければならないのは、ふだん職場で交わされていた気軽な会話が著しく減少し、コミュニケーションの総量が減ったことです。そのため、以前であれば気軽な会話の中で意識せずとも伝わっていたようなことが伝わらなくなり、小さなトラブルが頻発してしまうのです。

 「クライアントから想定より厳しい要望があった」「プロジェクトの方向性を修正すべきか悩んでいる」。そのような状況に部下が陥ったとき、上司と職場で頻繁に顔を合わせていれば、「先ほどこんなことを言われたのですが…」と気軽に相談するでしょう。しかし、わざわざ遠くにいる上司に電話までかけるでしょうか。まだ自分の中でも定まらない悩みを、メールで長々と書く余裕はあるでしょうか。

 電話は同期型コミュニケーションであり、コミュニケーションロスが少ないというメリットがあります。一方で、相手にいま時間があるのか、言葉だけでどう説明すべきかなど、かける前に考えなければならないことが多くあります。特に学生時代、電話ではなくSNSでコミュニケーションを取ることが一般的だった世代は、電話が苦手だといわれます。

 他方、メールは非同期型コミュニケーションですから、相手の都合を考える必要はありません。しかし、コミュニケーションロスが多く、正しく伝えようとすると文章は長くなり、書くにも読むにも時間がかかるという短所があります。

 この板挟みの状況から救ってくれる救世主こそ、テキストチャットです。なぜなら、テキストチャットは電話ほど相手の都合を考えなくてよく、メールほど手間がかかりません。しかも部下世代にとって、ある程度「ちゃんとした」会話や文を組み立てなければならない電話やメールよりも心理的抵抗感が少なく、気軽に使いやすいツールだからです。