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コロナで炎上、それ本当?~計算社会科学でSNSデマを解き明かす! 6/3 18時

客にとっての価値を追求できなければ他店に逃げてしまう。集客には商品やサービスに「顧客経験価値」を持たせることが重要だ。複数課題組み合わせ発想法で差異化した企画を考えよう。

 「西部課長、シャッター商店街に若者を呼び込むビジネスアイデアはありませんか?当行商圏の七姫子市(ななひめこし)中心部の岬町(みさきちょう)の商店街で廃業する店舗が多く、このままでは寂れるばかりです」

 システム企画室の岸井雄介は喫茶ルームでコーヒーを飲んでいる経営企画課長の西部和彦に聞いた。

 「この前は高齢化対策で今度は若者対策か。七姫子市駅前の岬商店街は江戸時代には花街だったんだよ。郷土文化指定された七姫芸者で賑わっていたんだ。俺が子供の頃は店がたくさんあって楽しい商店街だったんだけどな」

 「その岬商店街の会頭が当行の企画担当役員にシャッター商店街対策を依頼したようです。高齢者対策の成果を聞いたのでしょう」

 「しかし七姫子市駅前のように大都市から距離があるシャッター商店街に若者を呼び込むのは難しいぞ。若者が喜ぶモノやコト商材をそろえても大都市に近い他の商業地域に負けるからな」

 「課長もそう思いますか…。一緒に検討している瀧川さんも同じことを危惧していました」

 「一緒に仕事をしているのは新規ビジネス企画課の瀧川芳恵主任か?」

 「そうです。主任に岬商店街への若者呼び込み企画の説明をしたら『価値の追求が弱いと思います』と言われてしまい困っているんです…」


 岸井雄介は35歳、西日本の地方銀行A銀行に入行以来システム開発に従事し、現在はシステム企画室の課長補佐である。最近A銀行が買収したFinTech子会社F社の企画部と兼務になり、さらにグループ横断的検討プロジェクトのメンバーになった。

 西部和彦は37歳、A銀行でシステム企画の仕事を長く担当し、多くの仕事を成功させてきたエース人材で、岸井の大学の先輩でもある。出向していたITコンサルティング会社から復帰し、多くの仕事を成功させた貢献が認められ、経営企画課長に昇進した。

 岸井は現在、新規ビジネス企画課と共同で、A銀行の商圏にある七姫子市の駅前にある岬商店街の活性化企画を検討している。岬商店街は衣料品店や雑貨屋、食料品店、居酒屋、飲食店などの店舗を有する。