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 なぜみずほ銀行でシステム障害が繰り返されるのか。世間で今も続くその問いかけには2つの側面がある。

 1つは2021年2月28日からの12カ月で11回ものシステム障害が連続したことに対する問いかけだ。もう1つは2002年、2011年、2021年とほぼ10年おきに大規模なトラブルが繰り返されたことに対する問いかけである。

2021年2月28日、ATMの障害を知らせるみずほ銀行店頭の様子。自行ATMの7割以上の4318台が動作不能に
2021年2月28日、ATMの障害を知らせるみずほ銀行店頭の様子。自行ATMの7割以上の4318台が動作不能に
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 そもそもみずほ銀行は1999年に経営統合を発表してからこれまでに、情報システムに関連する4種類の大きなトラブルを起こしてきた。3回の大規模システム障害と、システム刷新プロジェクトの度重なる遅延である。

表 みずほ銀行で起きた4種類のシステム関連トラブル
1999年の経営統合発表から4種類の大トラブル
表 みずほ銀行で起きた4種類のシステム関連トラブル
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 情報システムに関連するトラブルは他の金融機関でも起こっているが、大きなトラブルを頻発させたのはみずほ銀行だけだ。なぜみずほ銀行でだけ大きなトラブルが繰り返されるのかを理解するため、まず4種類のトラブルの性質を整理しよう。

経営陣の無理解がトラブルの原因

 1回目の大規模システム障害が発生したのは20年前に遡る。2002年4月に第一勧業銀行、富士銀行、日本興業銀行の旧3行が経営統合してみずほ銀行とみずほコーポレート銀行が発足した際、ATMが使えなくなったり二重引き落としが発生したり、大量の口座振替が遅延したりするトラブルが生じた。

 トラブルの直接的な原因、根本的な原因はいずれも比較的シンプルだ。直接的な原因は、旧第一勧銀と旧富士銀の2つの勘定系システムを連係させる仕組みや、口座振替処理を旧3行の勘定系システムに振り分ける仕組みにバグや問題があったこと。根本的な原因は、経営陣が情報システムに理解がなく、無理のあるスケジュールでシステム統合を強行したことなどだ。

 実は当時、同じく経営統合したばかりのメガバンクで、似たようなシステム障害が発生していた。みずほ銀行よりも一足早く三和銀行と東海銀行が統合して2002年1月15日に発足したUFJ銀行(現三菱UFJ銀行)だ。スケジュールの無理がトラブルにつながったという原因もみずほ銀行と似ていた。

 もちろん、みずほ銀行のほうがシステム障害の規模が大きく、システム統合を巡る方針が二転三転した度合いも大きかった。それでも2002年当時においては、みずほ銀行だけが特殊な状況だったというわけではなかった。