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1967年から稼働し続けた旅客系基幹システムの「JALCOM」。基本設計に手を付けず機能拡張と性能強化で乗り切ってきたが、限界が来ていた。転機は経営破綻。管財人が再建計画の中心に基幹系刷新を据えた。

図 JALの旅客系基幹システム「JALCOM」の姿
図 JALの旅客系基幹システム「JALCOM」の姿
高度成長期から50年間、日本の空の旅を支え続けた(写真提供と画像出所:日本航空)
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 「PSS(旅客系基幹システム)の刷新をお願いしたい」。2010年2月8日、JALの青木紀将氏(現旅客システム推進部長)は総務担当として駐在していた香港支店からJAL本社に呼び戻され、上司からこう告げられた。会社更生法の適用を申請し、経営破綻した1月19日から20日後のことだ。

 JALのPSSは1967年に本番稼働した「JALCOM(ジャルコム)」が担っていた。米IBM製メインフレーム上にアセンブラで構築した予約・発券システムだ。1980年代に旅客輸送実績で世界一となったJALを、チェックインシステム「JALPAS」と共に支えてきた立役者である。ただ一度も全面刷新してこなかった「負の遺産」でもあった。

 「なんでそんなにかかるんだ!」。JALが2005年10月に航空連合(アライアンス)「ワンワールド」への加盟を決めた際、当時の社長はこうあきれ返った。電子航空券(eチケット)や共同運航(コードシェア)、マイレージ提携といったアライアンスの標準サービスを追加する作業にテストだけで1年以上かかると知ったからだ。