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意識改革でプロジェクトを立て直し、操作研修とデータ移行を用意周到に進めた。順風満帆に行くかと思いきや、新たな危機に見舞われた。国内線と国際線のそれぞれで、根幹を揺るがす「想定外」が判明した。

 危機の一つは2015年に起こった。国内線運賃を巡る問題だ。JALの国内線は運賃種別が多数設定されているうえ、1つの運賃種別の中でさらに便ごとや空席状況ごとに異なる運賃を適用する。この「世界的にもまれな複雑な運賃体系」(青木部長)がAlteaの標準機能では実現できないと判明したのだ。既にアマデウスと基本契約を結び、役員会議でSAKURAプロジェクトの全体計画を決裁した後のことだ。

図 JALの国内線の運賃体系
図 JALの国内線の運賃体系
複雑な運賃体系をAlteaに取り込んだ(画像出所:日本航空)
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 なぜこの時期に問題が判明したのか。武田副部長は「国内線を中途半端な位置付けにしたまま開発を進めてしまったためだ」と打ち明ける。

 SAKURAプロジェクトの開始当初、「特便割引」「先得割引」といった日本独特の複雑な運賃体系は「世界標準に合わせる形でシンプルな体系にいずれかのタイミングで切り替えていく」という方向性までは関係部門と確認していたという。だが、「具体的にいつどのように切り替えていくかまでは詰め切れていなかった」(武田副部長)。

 本番稼働の2年前になって利用部門がAlteaベースでの運用を具体的に考え始めた際、問題が判明した。「先得割引は個人の観光需要を取り込む戦略的な運賃。Alteaで対応するのか運賃を廃止するのか、経営レベルの議論になった」(同)。