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言葉を理解するAIにより、新たなデジタルトランスフォーメーション(DX)が可能になった。社員がプレゼンで話した内容を採点する。顧客からの電話の声を聞いて関連情報を示す。ソフトバンクをはじめ多くの企業が取り組みを始めた。

 自分はプレゼンテーションで印象に残る話し方ができているのか――。多くのビジネスパーソンにとって気になるポイントだろう。ソフトバンクは人工知能(AI)で社員のプレゼン能力を採点し、印象に残る話し方に改善する取り組みを進めている。核となるのは、自社で開発中の話し方採点AI「Well Presentation(仮)」だ。

図 ソフトバンクが社員のプレゼンテーション研修向けに開発したAIの活用の流れ
図 ソフトバンクが社員のプレゼンテーション研修向けに開発したAIの活用の流れ
AIが話の内容を理解し評価(写真とアプリ画像の提供:ソフトバンク)
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 同社は社員に対して「プレゼンテーション話し方研修」を実施している。座学と演習を通じて、プレゼンでメッセージを相手にきちんと伝える話し方を教える研修だ。ただ「研修で教えた内容を社員がどれだけ実践できているかについて客観的に評価する方法がないのが課題だった」。同社でWell Presentationの開発を主導する先端技術開発本部先端技術戦略部MONET戦略課の塩原翔太氏はこう打ち明ける。

 研修の受講者は約20人で、一人ひとりのプレゼンを講師が見て採点すると時間がかかりすぎる。そこでWell Presentationを活用する。

 Well PresentationのAIは社員が自撮りしたプレゼンの動画を分析。身ぶり手ぶりを見るだけでなく、話の内容を理解したうえで「キーメッセージを繰り返したか」「プレゼンの聞き手に問いかけをしたか」といった観点で採点する。社員は採点結果を基に自分のプレゼン方法や内容を見直す。