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アプリをすぐに動作させることができ管理も容易。異なる環境にも移しやすい。仮想化技術の1つである「コンテナ」の活用が進みつつある。リコーや野菜宅配大手が導入し、信頼性向上や処理時間の短縮といった成果を得ている。

 「米国ではGE(ゼネラル・エレクトリック)やUPS(ユナイテッド・パーセル・サービス)といった大手が本番環境で導入している。日本企業にも広がるのは間違いない」。コンテナについてこう語るのはガートナージャパンのアナリスト、桂島航リサーチ&アドバイザリ部門シニアディレクターだ。

アプリの移行や保守をスムーズに

 コンテナは仮想化技術の1つで、アプリケーションと動作環境をまとめて管理できるのが特徴だ。従来の仮想環境(仮想マシン)より軽量で高速に起動する。条件によるが仮想マシンは起動に分単位の時間がかかるのに対し、コンテナは数秒で利用可能になる。

図 コンテナの構成イメージとメリット
図 コンテナの構成イメージとメリット
即起動、別環境にも展開しやすい
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 仮想マシンの起動が遅いのは、マシンごとにゲストOSを動かす必要があるからだ。コンテナは1つのOS上で稼働するため起動が早く、必要なメモリーやストレージの量も少ない。しかも開発環境でテストした後に、そのまま本番環境に適用できる。コンテナの作成に必要なファイル群(イメージと呼ぶ)をコピーするだけで異なる環境に移行できる。

 こうした利点により「アプリの開発期間を縮めやすい」(ガートナージャパンの桂島シニアディレクター)。例えばシステム移行を効率化する「ブルーグリーンデプロイメント」を実践しやすい。本番システム(ブルー)を止めずに、並行して新システム(グリーン)を準備し、移行時にロードバランサー(負荷分散装置)などの接続先を新システムに切り替える手法だ。

 このやり方だとサーバー更新時のシステム停止時間を短くできる。新システムの運用開始直後のトラブル発生によるリスクも減らせる。新システムに切り替えた後に不具合が見つかった場合、接続先を本番システムに戻せるからだ。ブルーグリーンデプロイメントにより、アプリケーションのリリース管理や保守業務を効率化できる。