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なぜなぜ分析は「なぜ?」を考える前に「いきさつフロー図」を描く。そもそも業務の進め方がおかしいという事実を発見できる可能性が高い。フロー図で見えた改善点を基に、業務プロセスを変えることをまず考えよう。

 なぜなぜ分析は「なぜ?」を考える前に「いきさつフロー図」を描くと良い。いきさつフロー図はヒューマンエラーが発生するに至った業務の流れを時系列に整理して、フローチャートにまとめたものだ。

 大事なのは取り上げる問題に関わった「登場人物」を全員列挙すること。そして登場人物同士が「どの情報」を、「どんな手段」でやり取りしたかをフローチャートに書き込むことだ。

 いきさつフロー図を描くと、なぜなぜ分析をするまでもなく、ミスが起きた業務のどこに問題があるのかが浮き彫りになることも少なくない。私は昔から分析を始める前に必ず、いきさつフロー図を描くように勧めている。

図 いきさつフロー図の例
図 いきさつフロー図の例
そもそも業務の進め方がおかしい
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 いきさつフロー図の作成を長年続けてきたなかで、最近特に目立つトラブルが続いていることに気付いた。親会社と子会社といったグループ企業間の処理におけるヒューマンエラーや、社内の部署間の業務ミスが頻発しているという事実だ。

 グループ企業や部署をまたいだトラブルが後を絶たない。その理由は明確だ。対象となる業務の構造(グループや部署を越えた業務プロセス)そのものが合理的になっていないことにある。組織の壁を越えると、途端にプロセスが雑になる。

 例えば間違いが発生しやすい仕事の流れに基づいて、業務が設計されている。しかも、途中でミスの予兆に気づきにくいプロセスになっている。

 致命的なのは、対象業務の責任を負う立場にある管理者が、途中でミスの火種や抜け・漏れに気づけない仕組みのまま、長年同じプロセスで業務を運用していることだ。

 同じミスが何回も繰り返されている場合、管理者はミスをした当事者を責めるべきではない。そうではなく、「なぜ自分は部下のミスの原因に途中で気づけなかったのか」と自問自答すべきである。