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なぜなぜ分析に第三者が参加すること自体は悪くない。しかし、最初からミスの原因を断定してかかるのは問題だ。第三者も当事者意識を持って「なぜ?」を出す必要がある。

 問題の原因追究は本来、ミスをした当事者や関係者自身が実施すべきものである。なぜなら、当事者や関係者はミスが起きたときの状況を一番よく分かっているからだ。

 そうは言っても、失敗した当事者や関係者は自責の念で頭がいっぱい。自分たちの仕事のどこに落とし穴があったのかを、冷静かつ客観的に考えることはなかなかできない。これは本当によく聞く話である。

 また、なぜなぜ分析が技術的な話題に進めば進むほど、当事者や関係者には分からないことだらけになるときがある。業務は理解していても裏側の仕組みは知らないというのは、最近の雇用体系では珍しくない。

 そんな状態の中、当事者と関係者だけで原因追究をするとどうなるか。偏りが生じることが起こり得る。

 思い込みや行き詰まりをあらかじめ回避するため、なぜなぜ分析をするときは、当事者や関係者の他に管理者や技術者も加わるのが望ましい。

第三者が加わるときの注意点

 ただし、第三者が交り、当事者や関係者と一緒になって原因追究をするときには、第三者側が注意しなければならないポイントが幾つかある。それを説明しておきたい。

 管理者などの第三者がなぜなぜ分析に関わる場合、第三者はメンバーにとって有意義なアドバイスをするように心がけるべきである。助言やヒントは積極的に伝えてほしい。

 ところが現実は、その逆をいくような言動が目立つ。一番たちが悪いのは、第三者がしゃしゃり出てきて、勝手にあるいは先回りしてミスの原因を「断定」してかかることだ。するとせっかく設けたなぜなぜ分析の機会が、ミスした人のつるし上げの場になって、凍りついてしまう。

 当事者や関係者が自ら考えた再発防止策ではなく、第三者が外から持ち込んだ対策に「まんまと誘導された」ような残念な結末になることがしばしばある。こうなると人の心情として、気分は良くない。自分で決めたことではないので、対策の実行性が伴わなくなる恐れがある。

 人は話が他人事になると、途端に考えるプロセスが雑になる傾向にある。よく考えもせず、結論を決めてかかったりする。なぜなぜ分析で最もひどいパターンといえる。

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