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アイデアメーキングは事業企画において最初に始めるプロセスとなる。重要性は言うまでもないが、新規事業につながるアイデアは容易には浮かばない。良いアイデアを生むには方法がある。目的を理解し、訓練と経験を積むことだ。

 本連載は、新型コロナ後のニューノーマル時代に生き残るための新規事業立ち上げガイドラインを、限られたリソースの中で短期間に実際のプロダクトあるいはサービスを生み出すまでの取り組みを通して解説します。

 前回は、新規事業を立ち上げる上において必須となる事業企画のプロセスを架空のソフトハウスの例を取って説明しました。今回は事業企画のプロセスで最初に取り組むアイデアメーキングについて、その内容と実施方法を同じ主人公たちを通して紹介します。

 「紺猿(こんさる)さん」という事業開発を得意分野とするコンサルタントの元に、知り合いで最近新規事業を任された「神姫(しんき)さん」が相談に訪れました。プロセスの最初となるアイデアメーキングの重要性について、紺猿さんは力説し始めました。

 「神姫さん、アイデアがなければ事業企画も作成できず事業も立ち上がりません。それほどアイデアメーキングというプロセスは重要なのです。ですが『こうすれば必ずいいアイデアが生まれる』という手法は、私が知る限り存在しません」

 「紺猿さん、ではどうすればいいんですか?」

 「もちろん、アイデアを生み出すための様々な方法論やツールは存在しています。方法論としては情報を整理し意味付けをするKJ法や視点をずらしていくオズボーンのチェックリスト、ツールとの組み合わせとしてはテーマを決めて自由に発想するマンダラートやマインドマップ、一番ポピュラーな方法はブレーンストーミング、いわゆるブレストなどがあります。しかし、それらの方法やツールはあくまでも『この手順でやればアイデアが出やすくなる』というもので、良いアイデアが生まれることを確約するものではありません。つまり、確実に良いアイデアを生み出す方法はないのです。これは、アイデアメーキングがゼロからイチを生み出すという作業であることに起因しているのではないかと考えています」

 「やはり私や弊社では無理なんでしょうか……」

 「いいえ、大丈夫です。これから説明する内容を理解し、お教えする手順に沿って検討の回数を重ねていただければ、私の経験上、どなたでもアイデアを生み出すことができます」

 「安心しました。それでは、どうすればいいんですか?」

 「ご説明しましょう」

 アイデアメーキングのプロセスで実際にアイデアを生み出すためには、以下の4ステップが必要です。最初の2つでアイデアメーキングの内容を理解したうえで、3つ目と4つ目でアイデアを作り出す具体的な進め方と実践に入ります。

  1. 目的を理解する
  2. パターンを理解する
  3. 進め方を把握する
  4. 複数回実施する