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事業企画は複数メンバーによるプロジェクトでの取り組みが必須だ。1人では複数の視点で検討できず、発想が限定的になって内容が偏る。異なる部門のメンバーを早期に集めれば、スムーズな事業の立ち上げが期待できる。

 本連載は、新型コロナ後のニューノーマル時代に生き残るための新規事業立ち上げガイドラインを、限られたリソースの中で短期間に実際のプロダクトあるいはサービスを生み出すまでの取り組みを通して解説します。

 前回は、事業企画の最初のプロセスであるアイデアメーキングの内容と進め方について説明しました。今回は、事業企画のチームでの取り組み方について説明した上で、アイデアメーキングのケーススタディーを紹介します。

チームでの取り組みが必須

 新規事業では、その企画から立ち上げの全てにおいて、1人ではなく、プロジェクト化し複数メンバーによるチームで取り組む必要があります。それには2つの理由があります。

1.事業企画の際に複数の考えや視点で検討できる

 アイデアメーキングやビジネスモデル、ビジネスプランなど全てのプロセスにおいて、1人では思考が単一になり広がりが生まれません。伸ばすべきポイントや課題の抽出が偏ってしまって漏れが発生するからです。そのため複数メンバーで作業します。特にアイデアメーキングでは、複数メンバーで検討することが好ましいです。

2.実事業の立ち上げの際に社内の複数部門の協力が得やすい

 事業企画が終わり役員会で投資判定が承認されると、実際の事業の立ち上げとなります。その場合、社内の複数部署の協力が欠かせません。しかし、いきなりそれらの部門に対して事業の内容を説明して協力を仰いだとしても、内容の理解までに時間と工数がかかってしまいます。最大の課題は「自部署には関係のない話」というスタンスでの対応になる場合が多く、うまくいくはずがありません。

 事業企画の段階より各部門にまたがったメンバーによるチームを編成しプロジェクト化することで、実際の事業立ち上げの際には各メンバーが自部署でのコアメンバーになります。そうすれば各部署で「自分ごととして」取り組んでもらうことが可能なのです。

図 複数メンバーによるチーム作業の必要性
図 複数メンバーによるチーム作業の必要性
複数の視点から検討すると実現に結びつきやすい
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 今日も「紺猿(こんさる)さん」という事業開発を得意分野とするコンサルタントの元に、新規事業を任された知り合いの「神姫(しんき)さん」が相談に訪れています。神姫さんは、複数メンバーで作業することの重要性は分かったようです。