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新型コロナウイルスの感染拡大が企業の新卒採用シーズンを直撃した。多くの企業は慌ててオンラインの活用に乗りだしたが、応募者を十分に集められないでいる。採用シーズン以前から就活生を引き付ける工夫を重ねてきた企業が「勝ち組」になる。

 「学生も企業の採用担当者も浮足立った状態で就活本番を迎えてしまった」――。2021年春に卒業する大学生を対象にした就職活動について、明治大学就職キャリア支援センターの滝晋敏氏はこう指摘する。理由はもちろん感染拡大が続く新型コロナウイルスの影響だ。

 企業にとって毎年2~3月は、新卒採用における最も重要な時期と言える。2月にはインターンシップや業界セミナー、3月には企業説明会。一連の活動を通じて採用候補者を集める「母集団形成」を図るためだ。就活生に自社の事業や業界を知ってもらい、接点を築く。

図 現大学4年生と大学院2年生を対象にした、2021年卒採用の想定スケジュールと実際のスケジュール
図 現大学4年生と大学院2年生を対象にした、2021年卒採用の想定スケジュールと実際のスケジュール
コロナショックでスケジュール修正を余儀なくされている(写真:Getty Images)
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4割超の企業が採用計画変更

 しかし新型コロナの感染拡大によって、新卒採用活動の計画は大きく狂った。IT企業の人材採用活動を支援するIT産業懇話会が会員企業を対象に2020年3月に実施した調査では、採用スケジュールの変更を余儀なくされた企業の割合は41.5%に上った。

 「2月にインターンシップを実施して就活生の心を温めて3月からの採用本番に臨むつもりだったが、中止にせざるを得なかった」。会員企業の1社であるITベンダーの採用担当者は、こう悔しがる。富士通やNECなどIT企業の多くは、対面での説明会を自粛せざるを得なくなった。

 大量に採用する大手だけでなく、中小のIT企業にも影響は広がっている。ある大企業のIT子会社は、親会社と合同で毎年実施していた企業説明会を中止した。採用担当者は「採用ブランドのある親会社頼みで就活生を集めていた。当社単独では十分な知名度があるとは言えず、応募者を集められるかどうか」と不安を隠さない。

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