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営業活動で避けて通れないのが顧客からの値引き要求への対応だ。顧客の要望に応えようとするあまり、安易に値引きするのは危険である。自社の利益を直接下げるうえ、受注率の低下にもつながりかねないからだ。

 この連載ではSEから営業職に転向した人に向けて、SEの強みを生かした「ロジカルセールス」の進め方を筆者の経験とノウハウを基に説明しています。前回までに、アポ取りから商品を受注するまでの主なストーリーやテクニックを紹介しました。

 今回はもう1つ、営業するうえで避けて通れないトピックを取り上げます。顧客からの「値引き要求」にどう対応するか、です。

 ほとんどの案件で、顧客から商品の値引きを要求されます。顧客にとって「安く買いたい」のはごく普通の心理です。皆さんも顧客の立場で考えれば納得するでしょう。

 営業担当者はその顧客心理を理解する必要があります。であれば「受注するためには多少値引きしてもよいのでは?」と考えるべきでしょうか。

 いいえ、違います。値引きは、企業活動を支える「利益」を直接下げる、恐ろしい行為です。言い方はきついかもしれませんが値引きは「悪」と捉えるべきです。

「利益の向上」に反する

 なぜ値引きは悪なのでしょうか。基本に戻って、「営業の目的」を考えてみましょう。営業の目的は「受注」「(自社の)売り上げの向上」「顧客の利益向上」「顧客の満足」などがあります。一般には、「受注」あるいは「売り上げの向上」が目的となるでしょう。

 しかし、これら2つを目的とすると様々な弊害が生じます。筆者は、営業の目的は「(自社の)利益の向上」と定義するのが望ましいと考えています。企業活動は利益をベースにしているからです。いくら売り上げを上げても、利益が出なければ意味がありません。

 では受注はどうでしょうか。当然、受注しなければ利益は出ません。だからといって、受注を営業の目的とするのは禁物です。受注を目的にすると、安易に値引きしたり、営業工数を掛けすぎたりしがちになります。そうなると、売り上げは上がるのに利益が出ないパターンに陥る恐れがあります。

 こう説明すると、よく営業担当者から「それは自社の都合ですよね。値引きは顧客からの要望の1つです。顧客の要望にできる限り対応するのは営業の役割ではないのですか?」といった質問を受けます。

 ここで、連載の内容を振り返ってみましょう。営業担当者は顧客が「成果」を上げるために「価値」を提供します。重要なのは、最終的に顧客が成果を上げることです。この場合、顧客の成果は「安く買う」ことではありません。

 つまり、値引きをしないからといって、顧客に引け目を感じる必要はないのです。まして「自社都合で迷惑をかけている」などと考える必要は全くありません。

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