
勘定系システムは非競争領域――。こう言い切る銀行すら出始めたなか、3メガ銀行グループは勘定系システムをどう位置付けているのか。3メガ銀の決断は、地方銀行やインターネット専業銀行のみならず金融事業を手掛ける大手ITベンダーの戦略にも影響を与える。各グループのCIO(最高情報責任者)へのインタビューを通じて3メガ銀行の勘定系システム戦略を明らかにし、その未来を展望する。
メインフレーム神話は続くのか
勘定系システムは非競争領域――。こう言い切る銀行すら出始めたなか、3メガ銀行グループは勘定系システムをどう位置付けているのか。3メガ銀の決断は、地方銀行やインターネット専業銀行のみならず金融事業を手掛ける大手ITベンダーの戦略にも影響を与える。各グループのCIO(最高情報責任者)へのインタビューを通じて3メガ銀行の勘定系システム戦略を明らかにし、その未来を展望する。
越智 俊城 氏 三菱UFJフィナンシャル・グループ 執行役常務グループCIO(最高情報責任者)
旧東京三菱銀行と旧UFJ銀行のシステムを完全統合した「Day2」以来の大手術――。三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)が勘定系システムの根本的な見直しに挑んでいる。「アーキテクチャ戦略」をまとめ、2022年度からの10年間で約1400億円を投じる計画だ。
内川 淳 氏 三井住友フィナンシャルグループ 執行役専務グループCIO(最高情報責任者)
三井住友銀行は勘定系システムを刷新し、2025年度から順次稼働させる。同システムのオープン化に向けた検証も済ませていたが、あえてメインフレーム継続の道を選んだ。次期システムではメインフレームの堅牢(けんろう)性とオープン基盤の柔軟性の両立を目指す。
米井 公治 氏 みずほフィナンシャルグループ 執行役グループCIO(最高情報責任者)
みずほフィナンシャルグループ(FG)がシステム障害からの再起を急いでいる。保守面の目配りが不十分で、システム障害の連鎖を招いた。2019年に全面稼働させた新勘定系システム「MINORI」の安定稼働やその先を見据えた手を打つ考えだ。