
技術立国日本の足元が揺らいでいる。AI(人工知能)など先進IT分野は米国や中国の後塵を拝し、高度IT人材の育成でも諸外国に後れを取っている。政策を立案する立場である政府自身のIT利活用は進まず、公文書改ざんなど電子化すら危うい実態が明らかになった。電子政府とIT振興政策は日本を再び成長させる原動力だ。企業の競争力にも直結するだけに他人事ではいられない。落第点のIT政策を及第点に押し上げる方策を探る。
森友問題は氷山の一角、揺らぐ技術立国
技術立国日本の足元が揺らいでいる。AI(人工知能)など先進IT分野は米国や中国の後塵を拝し、高度IT人材の育成でも諸外国に後れを取っている。政策を立案する立場である政府自身のIT利活用は進まず、公文書改ざんなど電子化すら危うい実態が明らかになった。電子政府とIT振興政策は日本を再び成長させる原動力だ。企業の競争力にも直結するだけに他人事ではいられない。落第点のIT政策を及第点に押し上げる方策を探る。
落第点のIT政策(1)
「改ざん」「隠ぺい」をきっかけに政府の公文書管理のずさんさが明らかになった。脆弱な電子政府の姿は、そのまま日本のIT政策の弱さに重なる。政府主導のIT振興策も芳しい成果を上げていない。
落第点のIT政策(2)
AIやIoTなどブームが来てから「人材不足」を叫ぶのでは遅すぎる。自らブームを予測し、先んじて人材を育てない限り、不利な立場での競争を強いられる。日本ならではの人材発掘モデルを打ち立て、新たな土俵で勝負したい。
落第点のIT政策(3)
政府がトップダウンで研究開発の方針を決める傾向が強まる一方、「目利き」の役割を担う内閣府が機能不全を起こしている。文科省や経産省の助成制度も問題が山積する。
落第点のIT政策(4)
ベンダーへの丸投げから脱却し、自らプロジェクト管理できる発注者へ。日本年金機構と特許庁の取り組みは、政府の調達改革を占う。システム発注は変わりつつあるが、個人情報の漏えいを起こすなど改革は道半ばだ。
落第点のIT政策(5)
オンライン申請のために、紙の証明書類を取り寄せる。笑い話のような電子行政がまかり通っている。その元凶は添付書類が「紙」の形式にとらわれているからだ。